2016年08月16日

意外と長持ち、天然木の外壁リフォーム。その4

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天然木の外壁リフォームがお勧め・・というお話をしてきましたが、
外壁リフォームの時にぜひ組み合わせて欲しいのが、断熱工事です。

リフォームにおける断熱工事では、
天井断熱、床下断熱、壁断熱と部位によって、価格も効果も変わります。
比較的低コストでできて夏場の遮熱対策になるのが、天井断熱です。

次が冬場の冷え込みを防ぐ床下から行う床下断熱、
1年を通じて効果が高いのですが、
単独で行おうとすると一番コストがかかるのが壁断熱です。

壁断熱のコストがかかる理由は、壁の外側から入れるにせよ、
内側から入れるにせよ、必ず仕上げ材の復旧作業が必要だからです。

しかし、外壁リフォーム時であれば、古い外壁材をはがして
断熱材と防水対策をやりながら少しずつ作業を進めることで
外壁リフォームのついでに壁断熱の工事もできてしまいます。

せっかくなら外壁リフォームの時に
ぜひとも断熱工事を組み合わせていただきたいのです。
壁の断熱を施すと、冬場でも室内側の壁の表面温度が上がるので、
体感温度はずっと上がります。

エアコンの設定温度をあまり上げなくても
体に優しい室温で快適に暖かく過ごすことができるのです。
夏場も壁から伝わる外の熱気をカットできるので、
やはり快適に涼しく過ごせます。

外壁が気になるなら、一番やりにくい壁断熱工事をぜひ組み合わせてみてください。
外観だけでなく、生活のしやすさがガラッと変わりますよ。

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posted by テリー at 18:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 木造住宅の外装材

2016年08月13日

意外と長持ち、天然木の外壁リフォーム。その3



5.モルタル壁

30年以上前の住宅でよく使われていたモルタル壁。
たぶん古くさいイメージがあるのか、最近はあまり使われなくなりましたが、
実はこちらも意外と長持ちなんです。

以前は湿気を吸い込みやすいというデメリットもありましたが、
現在は通気工法との組み合わせで壁の内側に対する湿気を気にする必要もありません。
厚みも20ミリ近くになるので防火対策にはうってつけと言えます。
部分補修もできますし、その後は現場吹きつけとなるのでメンテナンス性も良好です。

最近では自然素材系の住宅で、漆喰塗りなどの塗り壁も増えてきました。
外壁塗膜の剥離などが起きることもないので、
高い質感が長続きするメリットもあります。
やっぱりいいものはいいですよねー。

ただしコスト的にどうしても高くなるのが気になります。


5.天然木

海の近くなど塩害の影響を受けるところで多いのが、
天然木の無垢板を張った外壁です。

実は塩害の影響を受けるところで一番長持ちと言えるのが、天然木なんです。
窯業系のサイディングが築数年で劣化してボコボコになるのと違い、
天然木の下見板は、色合いは年数に応じて変化するものの、
数十年ぐらいは持ってくれます。
一枚単位の交換もできるのでメンテナンス性は非常に良好ですし、
自然の風合いは年数が経つほど高級感も出てきます。

デメリットは、塗装した場合に定期的に再塗装する必要があることと、
防火地域では制限を受けることですが、
石川県内であれば、商業地域を除けばふつうに使えますし、
外壁リフォームをするならぜひ
検討材料の一つに挙げてもよろしいかと思います。


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2016年08月11日

意外と長持ち、天然木の外壁リフォーム。その2

IMG_2509R.JPG



2.無塗装の窯業系サイディングに現場吹きつけ

コストも考慮しつつ、メンテナンス費用を抑えるときに提案しているのが、
無塗装のサイディングに現場吹きつけする方法です。
デメリットは、現場吹きつけのため、色の退色があること。
特に西面は割と早々に白っぽくなってしまいます。

メリットは、1枚単位で張り替えすることが可能であること。
貼り替えた後に似たような色でなじませるように吹きつけすることで、
直した跡も目立たないし、廃番になる心配もありません。
コストも比較的抑えられるので新築でもお勧めしています。


3.金属サイディング

とても軽量なので、既存外壁の上から施工するタイプの外壁リフォームで
よく提案されているサイディングです。
商品単体としては、とても素晴らしいと思います。
家にあまり負荷をかけないという意味で、
何より軽量であることがとても有利に働きます。

ただ気になるのが施工法方です。
金属サイディングが使われるのは、主にリフォーム用。
それも古い外壁をそのまま残して上から施工するのですが、
けっこう施工不良が多いようです。
まず現代の新築では当たり前になっている「外通気工法」が取られていないか、
不十分であったり、空気の通り道をわざわざコーキングでふさぐなどして
かえって住宅の寿命を縮めたり・・というケースもあるようです。

また古い外壁材がそのまま・・ということは例え雨漏りしていたとしても
その原因を取り除くこともなく、上から隠すことになるので
かえって致命的なリフォームになる可能性も含んでいます。

金属サイディングを使う場合は、
施工業者さんのクオリティーをよくよく見極めた上で
依頼してください。


4.ガルバリウム鋼板

外壁に使った場合は、けっこう長持ちします。
30年から40年ぐらいは大丈夫かと思います。

ただ熱を持ちやすいので、遮熱断熱的には不利になることと、
デザイン性の優れたものを選ぶとコスト的にも意外とかかる傾向もあります。
それと、海が近いところでは、釘の穴や雨水がたまりやすいところから
錆びていくのがデメリットですね。


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2016年08月10日

意外と長持ち、天然木の外壁リフォーム。その1

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住宅の外壁には、

1.工場で塗装した窯業系サイディング
2.無塗装の窯業系サイディングに現場吹きつけしたもの
3.金属サイディング
4.ガルバリウム鋼板
5.モルタル壁(左官壁)
6.無垢板

などの種類があります。

実は私のお勧め外壁は、天然木の無垢板です。
こう話すと、「え〜〜!?」とビックリされることも多いのですが、
最近は自然素材のイメージがない地場のハウスメーカーさんでも、
アクセントに無垢板を外壁に使うケースも増えてきていますし、
外壁リフォームでも無垢板を使うことができるんです。

今回は外壁材それぞれの特徴と外壁リフォームのメリット・デメリット、
注意点をお話ししていきますね。


1.工場で塗装した窯業系サイディング

メリットは塗膜に10年保証がついているものがあったり、色が比較的均一であること。
さまざまなデザインから選べることもあって、
主に大手ハウスメーカーさんや地場のリーズナブルな価格帯の住宅会社さんで
提案されることが多いと思います。

デメリットは、凍害に対して非常に弱いこと。
また湿気が抜けにくい環境でも塗膜の下の基材と呼ばれる部分が劣化してしまい、
意外と長持ちしない印象です。
それと万一の事故や災害で、数枚だけ直そうとしても
だいたい数年ごとにモデルチェンジで廃盤になってしまうので、
事実上部分補修が効かないケースがあること。

また塗膜が劣化した場合でも、上から塗装をするわけにもいきません。
張り替えをするか、上から新たなサイディングを張るしか方法はありません。
昔はよく提案していましたが、思ったほど長持ちしないので
最近では全くといっていいほど提案するのをやめてしまいました。


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2014年04月22日

屋根からの雨漏りの原因と対処法。その4


・・・ 屋根からの雨漏りの原因と対処法。その3 の続きです。


3.トップライトからの雨漏り

トップライトとは、屋根面に取り付けられた天窓のことです。
わずかな面積でも上からの採光があることで
周囲の環境に左右されずに部屋を明るくできるので
一時期はよくつけたものでした。

外観上でいえば、屋根面よりもガラス面が盛り上がったような感じで
取り付けられるので、少し離れたところから見ればすぐにわかります。

トップライトの施工はかなり注意深く取り付けられているはずですが、
どうしてもトップライト周辺には雨水が集中することも多く
その周囲の板金の耐久性や屋根そのものの勾配によって
腐食の進み具合が変わりますので
場合によってはトップライトの周囲から雨が侵入しやすくなります。

またトップライトそのものは、ゴムを介して製品化されていますが、
真夏の高温状態や真冬の低温状態によって
ゴムそのものの劣化があれば今度はトップライトそのものからの
雨漏りが発生してしまいます。

トップライトそのものから雨漏りが発生すると
正直言って直すのはかなり難しいです。。。


トップライトからの雨漏りを防ぐには、
トップライトを撤去して
ガラス瓦を施工する方法があります。

ガラス瓦は野地板部分にペアガラスを入れて
その上からレキサンシートという透明の幕を張り
その上からガラス製の瓦を施工する方法です。

トップライトと違い、瓦の施工方法そのものは
通常の瓦施工と同じ、
さらに外部から見て盛り上がっているところもないので
そこだけに雨水が集中することもありません。

リスクを大きく減らせるということではお勧めです。

ただし外観上から見ると、ちょっとかっこわるいかもしれませんが
屋根の上のことなのであまり気にならないかと思います。


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2014年04月21日

屋根からの雨漏りの原因と対処法。その3


・・・ 屋根からの雨漏りの原因と対処法。その2 の続きです。 


これらを防ぐには、陶器瓦をお勧めします。

陶器瓦のメリットは素材そのものが日本の温暖で湿潤な気候であっても
長持ちすること、その寿命はおよそ50年です。
また、強風の飛来物などで瓦が割れたとしても
1枚単位で交換しやすいというメンテナンス上のメリットもあります。

陶器瓦の勾配は最低でも4寸勾配ですから
屋根の裏側の湿気も排出しやすくなります。

それとこれはマニアックな話ですが、
屋根の下地材は「野地板」(のじいた)と呼ばれますが、
瓦の場合は、一般的に厚み12ミリ程度の杉の無垢板が使われるのに対し、
それ以外の屋根材の場合は、厚み12ミリ程度の合板が使われます。

無垢板は湿気を吸ったり吐いたりという調湿効果に優れた素材ですが、
合板の場合は湿気を吸ってしまうと接着剤がはがれてベコベコになってしまい
屋根の荷重を支えられなくなって、雨漏りを誘発する危険性が増えていきます。

これは北陸の場合だけかもしれませんが、
築20年以上の家で屋根が化粧スレートだと
屋根の傷みがかなり進んでいるケースがよく見受けられます。

早いものでは築10年程度でも
北側の屋根にコケが生えていたり、
西側の屋根が白く風化していたりして
お施主さんも気にされていることがよくありました。

一方、日本瓦や平板瓦などの陶器瓦の場合は、
20年程度ではまだまだ大丈夫なので
住んでいる方も屋根のことを気にしていないことが多いですね。

家のメンテナンスのストレスを減らすという意味でも
屋根の勾配をしっかりととって陶器瓦にすることで
屋根からの雨漏りを減らすことができます。


・・・ 屋根からの雨漏りの原因と対処法。その4 に続く。


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2014年04月20日

屋根からの雨漏りの原因と対処法。その2


・・・ 屋根からの雨漏りの原因と対処法。その1 の続きです。


2.屋根の勾配不足

屋根の勾配は屋根に降った雨水を速やかに屋根から取り除くために
重要な役割を果たします。

屋根の勾配はどのようにして決まるかといえば
屋根材との組み合わせである程度決まっていきます。

これは北陸の場合ですが、
陶器瓦の場合は水切れが悪くなるため
ある程度の勾配を必要とします。
具体的には短い距離でも4寸勾配以上は必要とされるようです。

  ※4寸勾配とは、
   1尺(10寸)進んで4寸上がる勾配のこと。

1m進んで40センチ上がるといえば
イメージがつきやすてわかりやすいでしょうか。

図面上では、「4/10」という表記のされ方をします。

これが化粧スレートの場合では
陶器瓦よりも水切れがいいというかフラットで
水が切れやすい形状なので
3寸勾配〜3.5寸勾配程度にゆるくできます。

さらに鉄板の屋根であれば、1.5寸もしくは2寸程度でも
水切れはある程度確保されるようです。

ただし、これはあくまで新品の場合のお話。
強風の際の飛来物で屋根材が傷んだりすると
そのゆるい勾配が災いして、
どうしても湿気がその傷んだ箇所にたまりやすくなります。

傷んだ部分に湿気がたまると、
その裏側にある下地が腐りやすくなり、
さらに気温の低い冬場には凍害が起こって
屋根材そのものの劣化が進んでいきます。

結果として雨漏りとなるわけですね。


・・・ 屋根からの雨漏りの原因と対処法。その3 に続く。


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posted by テリー at 21:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 木造住宅の外装材

2014年04月19日

屋根からの雨漏りの原因と対処法。その1


そうそうあることではないのですが、
それでも時折相談されるのが、雨漏りの悩みです。

築年数でいえば20年を超える家から
雨漏りの相談が増えていくような感じですね。

雨台風や強風を伴ったゲリラ豪雨の後には
よく雨漏りの報告を受けることがあるのですが、
雨漏りそのものに絞った記事というのは
案外見つからないようです。

そこで今回から、箇所別の雨漏りの原因と
その対処法のお話をしていきます。

まず最初に、屋根からの雨漏りの場合です。

屋根そのものからの雨漏りの場合、
原因は3つに絞れます。


1.屋根材そのものの劣化

日本瓦のような陶器瓦の場合はあまりないのですが
コロニアルのような化粧スレートの場合は、
スレートそのものが湿気と凍害で劣化し、
常に湿気を帯びたような形になったり、
割れて屋根の下地が露出するような形になってしまい、
その場所に雨が吹き込むと容易に雨漏りしてしまいます。

化粧スレートは単体で見れば強度は高いのですが、
それでも台風や強風の際の飛来物の衝撃では割れることもあり、
割れた部分がさらに湿気や凍害で劣化する
・・といった流れで劣化が進んでいきます。

金属製の屋根の場合も、
近年施工されるものはガルバリウム鋼板など
耐久性の高いものが多いのですが、
そうでない場合は、酸性雨や強風時の飛来物でサビが発生し
そのサビがどんどん大きくなって最終的には穴が開きます。
その開いた穴から雨水がどんどん浸入し
屋根下地の方も腐らせてしまい、最終的に雨漏りしていきます。


・・・ 屋根からの雨漏りの原因と対処法。その2 に続く。


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posted by テリー at 06:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 木造住宅の外装材

2011年10月18日

デザインも大事ですが・・・。


住まいの省エネフェアでは、ふだん顔を合わすことのない業者さんと
久し振りにお会いすることもでき、何となく同窓会気分になったのですが、
その時に気になる話題が出ました。

「30代の方が家のことで気にするコトって、
 どうもデザインとか、住宅設備のことばかりで、
 肝心の耐久性はどの住宅もほとんど変わらないと思っているようですね。」

某住宅会社の営業さん(たぶん40代?)の言葉に
その場にいた一同、深く頷いてしまいました。


言われてみれば、私もモデル住宅などを案内していて
同様の印象を持つことがありました。

まあ、住宅の耐久性の違いは分かりにくい上に、
横並びで比べたところで実際のところは確かめようもないのですから、
どうしても分かりやすい外観デザインやインテリアの方に
目が向いてしまうのも無理からぬことです。

車も家電製品も携帯電話も、機能性以上にデザインの良し悪しで
売れ行きが全く違うほどですから
住宅にもその傾向が出るのはむしろ当然の流れかもしれません。

ましてや長期の住宅ローンを払うことを考えれば
気に入ったデザインで所有欲を満足させる家でなければ
とても払いきれるものではないでしょう。


でも、、、、車や家電製品などの耐久消費財であれば、
気に入らなくなれば数年でも買い替えることもできますが、
(たとえ製品寿命を迎える前であっても・・)
住宅はなかなか買い替えしにくいものです。

だからこそお客様自身の目で
家の耐久性に少しでも関心を持っていただけたらな〜と
ついつい思ってしまいます。

なぜこんなことをいうかと言えば、
家そのものの耐久性もメンテナンス費用も
最初の家の建て方によって、ガラッと大きく変わるからです。

特に外装材のメンテナンス費用は大きく違いますね。
この違いがどこから出てくるかというと、
使われている素材そのものの耐久性と、外観デザインによるものです。

わかりやすい例を出してみますね。
1. 屋根材の場合

コロニアル(スレート)屋根と、瓦では耐用年数は倍以上は違います。
コロニアル屋根だとよくもって20年程度、
条件が悪ければ10年程度で不具合が出てくるのに対し、
瓦の場合は40〜50年程度は持ちますし、
それまでは10年ごとの定期検査で不具合のある箇所だけ(1枚単位)
直していくだけで済みます。

ですから50年というスパンで考えると、
屋根のメンテナンス費用だけで200万円ぐらいは変わることになるのです。
初期費用は瓦の方が高いとはいえ、
その差は高くても50万円以下ですから、
どちらの方がお得かは一目瞭然です。

  (よろしければ、ブログ記事「屋根材は何にすればいいの?」 もご覧ください。)


2. 外壁の場合。

外壁もやはり同様で、最近流行りのキューブデザインは、
外壁に雨が当たる率も高まり、どうしても外壁材が濡れている時間が長いので
同じ外壁材を使っていても、耐久性が大きく変わります。

施工の良し悪しもあるので一概には言えませんが、
運が悪ければ、わずか3〜5年程度で外壁材の劣化が進み、
10年経った頃には見るも無惨な状態になることもあります。

その一方で同じ外壁材を使っていても、
軒で守られている家の場合は、ふつうに20年以上は持ったりします。
(ただし色の退色は除きます。)

また別の機会に外壁がどのように傷むのかをお話ししますが、
外観デザインと耐久性が家によって大きく変わることだけは
ちょっと覚えておいていただけるとうれしく思います。


★今日のテリー語録

「その土地の気候を無視した建物は、やはり短命のようです。」

前述の屋根材ですが、雨が少なく乾燥した地域であれば
コロニアルでもそれなりに長く保つのですが、
日本の本州のように、元々が温暖で湿潤、
さらに雪が降ったりゲリラ豪雨があるような地域では
どうしても短命になってしまいます。
またキューブデザインも雨の多い地域には不向きのようですね。

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posted by テリー at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 木造住宅の外装材

2010年07月15日

新築でも雨漏りすることがあるの?? 【 その他の質問編 】

 
    新築でも雨漏りすることがあるの?? 【 設計デザイン編 】 
    新築でも雨漏りすることがあるの?? 【 施工不良編 】 の続きです。
 

たまに受ける質問ですが、
「こういった施工不良は、検査機関が指摘するんじゃないんですか?」
と聞かれることがあります。

残念ながら、検査機関が検査するのは、あくまでボルトや金物類の施工状況なので、
タイベックの張り方までは一切チェックはしてくれません。

逆に言えば、構造的に申請書類通りであれば、
工事中に雨漏りしていても
「仕上がる頃には雨漏りも直しているでしょう・・。」
という感じで、検査には通ることになります・・・。

そして、本当の雨漏りが分かるのは、
お施主さんが実際に入居して数ヶ月から数年経ってからのことなのです。

残念ながら、厳密に言うと、
いったん雨漏りしてしまうと、ほぼ直すことは不可能です。

直し方としては、どうしてもコーキングなどの充填剤に
頼る形にならざるを得ないからです。
しかし、コーキングそのものの寿命はわずか数年程度、
コーキングが切れてしまえば元の木阿弥です。

一番施工しやすい、新築の工事の時に徹底的に
防水してあげるのが、かえって近道となります。


他に受けた質問が、
「すでに屋根のないバルコニーになっています。
 不便なのでアルミなどで屋根を掛けようと思うのですが?」
というのがありました。

落雪がない場合であれば、普通にアルミの屋根でも問題がないと思います。
雪が落ちる面ですと、どうしても落雪の衝撃で
屋根に使われているポリカ(透明のプラスチック)が割れやすいので
強化ガラスかガルバリウムの折板屋根の方がよろしいかと思います。

また、屋根を掛けない場合であっても、
バルコニーの排水口をこまめに掃除してあげると
かなりリスクを減らせると思いますので、
とにかく頻繁に掃除してくださいね。


★今日のテリー語録

「いくつかの“不運”が重なったときに、事故やトラブルが発生します。」

何でもそうかもしれませんが、トラブルが起きるときは、
複数の不運なことが重なったときに起こることが多いようです。
設計デザイン上の不備があっても、素晴らしい施工によって防ぐこともできますし、
逆に施工不良があっても、風の向きや設計デザインで救われることもあります。
そうは言ってもリスクはリスクですから、可能な限りリスク要因を減らすことも考えてください。

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posted by テリー at 21:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 木造住宅の外装材
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