2011年04月18日

トイレのセンサー照明なんて、いらない!


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「子供(あるいは孫)が、トイレの電気をつけ放しにして出てくるので
 センサーつきの照明にしたいんですけど・・。」
という要望を受けることがたまにあります。

最近では公共の建物なんかでも、節電のために
トイレは人感センサーつきの照明になっていることが多いので
おそらくそれをイメージされているのだと思います。

ドアを開けるとトイレ内の照明が点灯し、
設定した時間が経過すると、自動的に消灯してくれます。
これだけ聞くと、すごく便利な機能のような気がします。

しかし、公共の建物はとても広く蛍光灯だけでも何百Wもある上に
税金で費用を賄っているので、いやでも節電を意識せざるをえない状況に対し、
一般住宅のトイレは1帖弱のスペースで照明器具も40Wの白熱灯か
13Wの蛍光灯1灯だけ・・というケースの方が多いかと思います。

「一般住宅のトイレで、センサーつきにする必要があるのだろうか?」
と、ついつい思ってしまいます。

トイレ内にいる時間は、個人差が大きく、
大もしくは小のいずれかによってけっこう変わる上に、
トイレ用のセンサー器具の設定時間は
長くて3分程度、短くても1分程度です。
(メーカーによっては、もっと長く設定できるものもあります。)

大人の場合だったら、たとえ便座に座っているときに照明が消えても
頭を軽く振ることですぐに再点灯するので、
慣れればそんなものかもしれません。

でも小さなお子さんがトイレで手間取っているときには
高い確率で一度は照明が落ちるんですよね〜・・。

ただでさえトイレを怖がる子供が多いのに、
一瞬とはいえ、真っ暗になったら・・・、
子供がトイレ嫌いになるのは、ほぼ確実です。

また、大人の場合は軽く頭を振るだけでもセンサーが作動してくれますが、
体の小さな子供の場合だと、センサーが感知しにくいこともあるので、
なかなか点かないこともあるんですよね・・。

さらに、自宅でトイレの自動消灯に慣れると、
他所のトイレでもトイレのスイッチを消さない習慣が身についてしまいます。
それが果たしてそんなにいいことなのか?、
・・正直言って疑問に感じてしまいます。


実際にお客様の要望で取り付けたにもかかわらず
「設定時間を10分以上に延ばせないんですか!?」とか、
「連続して点灯させるにはどうすればいいんですか??」
などの相談も、引渡直後によくあるぐらいですから
なんとなくわかっていただけるかと思います。


そんなわけで私は、
住宅のトイレにはセンサーつきの照明器具ではなく、
トイレ用のふつうの天井直付の照明器具(白熱灯もしくは蛍光灯用)の方を薦めています。
そして、「入居した後に、市販のLED電球に交換をしてください。」と話しています。。

わずか1帖足らずしかない一般家庭のトイレなら
6W程度のLED電球でも十分な明るさですし、
(全光束ルーメンの目安は300〜350ルーメン程度)
少々つけ放しにしてあっても、ほとんど電気代もかかりません。

6WのLED電球なら1日中つけ放しにしたところで、
電気代はわずか3円程度、(1kWh:22円で計算)
この程度なら、あまり目くじらを立てずに済みそうですね。(笑)


★今日のテリー語録

「他にももっとセンサーが向いているような場所がありそうなものですが・・。」

たとえば、廊下の照明はセンサーが有効に使えそうですし、
階段の登り口や降り口も夜中の移動を考えると、
センサーが大活躍しそうな気がするのですが・・。


今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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2009年06月09日

トップライトなんていらない!

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周囲から採光が取りにくい場合に特に効果を発揮するトップライト(天窓)ですが、
設置するときは十分、とにかく十分に熟考してからにしてください。

トップライトのメリットは上からの採光が取れるため、周囲が高層の建物に囲まれていても
家の内部に明かりを取り込むことができることです。

しかし、トップライト周辺の雨仕舞は特に念入りにしなければなりません。
勾配不足やちょっとした施工不良、さらに周辺の環境によっては、
雨が吹き上がりや積雪によって、そのたびに雨漏りが起こる可能性があるからです。
そして、トップライトそのものやその周辺から一度雨漏りしてしまうと、
完全に直すのは非常に難しいので、そのリスクをずっと抱え続けることになります。。

お客様によっては
「とにかく明るい方がいいから。」と方角も何も関係なくトップライトを要望される方もいます。
同じトップライトでも北側の屋根に設置するのであれば、
直射日光が部屋に入らず光だけはちゃんと上から落ちてくるので、一番お薦めの方角です。

しかし、南側や西側の屋根に設置すると、真夏ではその下を歩くのをためらうほど
直射日光が入ってきます。(確かに明るいことには間違いありませんが・・。)
以前、設計事務所さんのお仕事でしたが、やはり奥様からの
「以前のキッチンが暗かったのでとにかく明るくしたい!」
という要望を取り入れた設計が施されました。

そして1階キッチンを南側に設置して、その真上にトップライトまで設置したのですが、
(これを読んでいる賢いみなさまなら予想がつくと思いますが・・、)
春先から調理をしている奥様の頭上には常に直射日光が差し込み
「暑くて料理なんかできない!!」
と苦情を受けて、さらに夏以外であっても食材が腐りやすいとの苦情があったそうです。

まあ、キッチンは極端にしてもリビングなら南でもいいのでは・・と言われそうですが、
やっぱり止めた方がいいと思います。
床にはきれいにトップライトの跡がつくでしょうし、その下にはまず人が座りませんから
家具の配置などもかなり制限されるからです。

それと私は他所から情報を得ていたので、使うことはありませんでしたが、
開閉式のトップライトだけはやめた方がいいです。
開閉部分のパッキンの劣化により10年後には、雨漏りする可能性が相当高まります。

もっともいろいろなケースもあり得るので、
やむを得ずトップライトを設置する場合は、北側・もしくは東側にして、
必ず固定式(FIX窓)にして下さい。
製品は信頼性のあるベルックス製を選ぶことにはなるかと思います。
http://www.velux.co.jp/products/skyview/fs/

さて、それ以外の方法として、ガラス瓦を使うやり方もあります。
施工方法的には、こちらの方をお薦めいたします。
単純に瓦がガラス製に変わるだけで施工方法は基本的に変わらず、
メンテナンス的にもほとんど変わらないからです。
難点は外観的にちょっと見栄えが悪いことでしょうか。

いずれにせよ、トップライトをつける場合はくれぐれも慎重に検討してくださいね。


★今日のテリー語録

「ベッドに横になりながら星空が見たいんです!」
 
 ・・ご安心下さい。日本ではまず見えませんから素直に止めておきましょう。(笑)

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2009年06月04日

床暖房なんていらない!

「こんなものいらない!」シリーズは久しぶりなので、若干の補足をしておきますね。
なんとなく無目的に・・、あるいはよく考えずにつけてしまう可能性のあるもので、
実際にはそれほどでもなかった・・ということがあるケースを主に扱っています。

なお、床暖房の種類はいくつかありますが、
ここでは効果の実感できる「温水式床暖房」のことをお話ししています。
熱源は灯油、ガス、電気(ヒートポンプ式)が代表的ですね。

足下から効果的に暖める床暖房は、冬場の暖房機器として理想的です。
当然メリットがいっぱいあります。

まず、暖房機器が見えないこと。
つまり、小さな赤ちゃんがうっかり触って大やけど!という心配がありません。
また究極の省スペースということになりますので、暖房機器を置いたために
冬の室内空間が狭くなることはありません。

さらに秋になって物置の奥から暖房機器を引っ張り出してきて・・とか、
春になってきれいに掃除してから仕舞う手間もありません。
またどの熱源を使うにしても、室内で燃料を燃焼させるわけではないので
室内の空気はクリーンです。

じゃあ、意外に知られていないデメリットは・・。

不凍液の交換などのメンテナンスが3年〜5年に一度必要になります。
どんな暖房機器でも定期的なメンテナンスは必要なので、
そのこと自体は特にデメリットだとは思いませんが、
問題は灯油・ガスのボイラーの部分です。

一般的に燃焼器具や機械ものは毎日少しずつ動かしていくとかなり長持ちします。
給湯用のボイラーなどは冬はもちろん夏も運転させますので(シャワーや食洗機など)、
1年中動いていることになります。

しかし、床暖房用のボイラーは夏場に動かすことはまずないでしょうから、
不調の原因になりやすいのです。
そしてその不調が重なると、あっさりと寿命を迎えてボイラーの買い換えということになります。
ただでさえイニシャルコスト(初期投資)が高いのに、
数年ごとにボイラーの買い換え(20〜30万円)になってはシャレになりません。
一方、ボイラー1台で給湯と床暖房を賄っているケースもあるかもしれません。
この場合は冬場に過運転になる可能性があります。

次に暖房範囲ですが、
玄関からホール・廊下・トイレ・洗面など一階の床面積をすべて網羅されていればいいのですが、
ここまで施工するケースはむしろ少なく(コスト的な要因が多い)、
LDK+αに抑えられていることが多いと思います。
このやり方だとかえって家の中の温度差を作り出すことになります。

また、足の感覚はみなさんが思っている以上に寒さに敏感です。
ですから床暖房の入っている空間と入っていない空間では、
実際の温度差以上に寒暖の差が広がることになります。

これは仕組み上の話ですが、だいたい部屋面積の7割ぐらいしか暖房パネルは入りません。
そして一般的に床暖房対応のフローリングは合板です。

これはぜひ一度試していただきたいのですが・・、
無垢のフローリングと合板フローリングを並べて、両手を置いてみてください。

どちらの方が暖かいかよく分かると思いますが、断熱性能の低い合板フローリングだと
床暖パネルのすぐ上なのか、そうでないのかによっても温度差が生じます。
つまり床暖房が施工されている同じ部屋の床ですら寒暖の差が生じることになります。

そのせいでしょうか、なぜか温かいはずの床暖房が施工されている家の方が、
みなさんスリッパを履いていることが多いのです。
これを見たときは、本当に不思議でした。

さて、完成内見会などを行って一般のお客様を案内していると、
無垢フローリング+エアコンだけなのに、床暖房と勘違いされる家も非常に多かったのです。
これは、無垢フローリングが熱をどんどん蓄えてくれるからです。

基本的にあまり機械に頼るのが好きではない私としては、
温水式床暖房の利点を理解しながらも、積極的に薦めてこなかった経緯もありました。

欲しければどうぞ・・という感じでしょうか。。


★今日のテリー語録

「何事もバランスが大切です。」

新築住宅で寒さ対策を考えるなら、暖房機器の検討だけでなく、
それと同時に断熱の強化と効果的な間取りなどを考える必要があります。

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2009年03月04日

バルコニーなんていらない!

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今回は北陸や日本海側限定です。

バルコニーとは、みなさんの方がよくご存知でしょうが、
2階部分にせり出した屋根のない部分のことです。
1階部分の上に作られていることも多いと思います。
 (これをルーフバルコニーと呼びます。)

「バルコニーは必要です!」という声も聞こえそうですが・・。

使い方としては、布団干しのスペースにしたいとか、
洗濯物を干すスペースが欲しいから・・というあたりでしょうか。

でもよく考えてみてください。
洗濯機が1階の洗面脱衣室にあるのに、わざわざ毎日2階のバルコニーまで
重たい洗濯物のかごを運ぶのでしょうか?
誰が運ぶのか?にも依るのかもしれませんが、
毎日のことだけにひざや腰にかなりの負担がかかります。

それと冬でも晴れている日が多く、乾燥している太平洋側の地域ならいざ知らず、
1年を通して雨も多く、冬場も気温が低く湿った雪の積もる北陸で
洗濯物が干せるのでしょうか?
特に北陸の雨の多さは致命的で、共働きのご夫婦では
まず室内干しにせざるを得ないと思います。

それと・・、
作り手からしてもあまり作りたくない理由があります。

今から10年ぐらい前の話になりますが、
私が職人時代に建てた家にも何軒かはバルコニーがありました。
2階の木工事がほぼ終わり、1階の木工事をしていたときのことです。
その日は前日から激しい雨が降っていました。
すると突然、バシャーン!!と大きな音がして、振り返ると
天井から水が降ってきました!!
もう辺りはずぶ濡れです。
あわてて2階に上がり、ブルーシートでバルコニーの上部を囲いました。

おそらく強風などで枯れ葉がバルコニーの排水口に詰まり、
前日からの雨が排水されずにバルコニーの床に水が溜まり始め、
その圧力で排水管が外れたようです。
このときは本当にびっくりしました

また、別の家でも天井から雨漏りがするのでおかしいなー?と思って
天井裏を確認してみると、バルコニーからの排水管の継ぎ手から雨が滴り落ちていました。
もちろん配管設備屋さんの施工不良ですが、
たとえ施工に問題がなくても長い年月で見るとリスクを抱えることになるので、
なるべくなら作らない方が無難だと思います。

でもバルコニーがないと本当に困るという人もいると思います。
要は屋根を掛けてくれればいいのです。
ちなみに屋根を掛けると、ベランダになるそうです。
(※写真は屋根がかかっているので、ベランダになります。)

もっともバルコニーとベランダは現在の日本では混在されて使われているので、
屋根のあるなしにかかわらず、ベランダと呼ぶこともあるそうですから
屋根がかかっているかどうかは必ず住宅会社さんに確認してください。

最後に、屋根のないバルコニーをすでに作ってしまった方へのアドバイスです。

こまめに(最低でも月に1回以上)、バルコニーの排水口の枯れ葉を取ってください。
別に洗剤などできれいにする必要は全くありませんが、
(配管そのものを痛める可能性もありますし。)
手で取れる枯れ葉だけはちゃんと取るようにしてください。
それさえやっておけば当分は大丈夫でしょう。


★今日のテリー語録

「今日もおいしいご飯をありがとう!」

我が家では夕食の際にこの言葉を家族全員で言ってから、
「いただきます!」になります。
なんとなく、もっとおいしくなるような気がしませんか?

 

2009年03月02日

ウッドデッキなんていらない!

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「こんなものいらない!」第3弾です。
実際にはほとんど使われていないけれど、
何となくつけてしまうものを勝手にシリーズ化しております。
みなさんがあらためて自分が本当に欲しいものを見直してほしいとの思いから
私が独断と偏見で選んでおりますので、参考にしていただけると幸いです。

さて今回は、「ウッドデッキ」です。

注文住宅・・というより建売の住宅でも意外と多いですね。
設計している方に聞くと、外観的に寂しい家の場合だと、
ウッドデッキがあれば絵になるので、何となくつけてしまうとか・・。

「このウッドデッキの上でバーベキューをするのが夢なんです。」
との声もよく聞きますけど、(これはなぜか本当に多い・・。)
実際にみなさん、本当にバーベキューを自宅でそれほど頻繁にするんでしょうか?

アフターフォローのために実際につけられたご家族にも聞くのですが、
だいたい引き渡した最初の年だけで、それ以降は一切やらないそうです。
理由ははっきりと仰ってくれませんが、
おそらく片付けが面倒くさいからだと思われます。

他の用途としては、洗濯物干し置き場になるケースが多いようです。
全く使われないよりははるかにマシですが、
単なる洗濯物干し場にしては少々高い買い物のような気もします。

6帖間ぐらいの大きさで手すりや階段をつけたりすると、
まともな材料では30万円は下らないはずです。
まともな材料とは、米ヒバや国産ヒノキ辺りのことで、
理想をいえば青森ヒバや能登ヒバなら耐久性もかなりあります。
10年は確実に保つでしょう。
20年は・・、たぶん大丈夫だと思います。

しかし、まともでない材料では値段を安くできる代わりに
耐久性は数年程度まで落ちてしまいます。
まともでない材料とは、腐りやすい樹種(外材の松が多い)に
防腐剤や加圧注入剤(緑色)でごまかしたような材料のことです。

実は私が職人時代、公園の遊具などを米マツの加圧注入材で作ったことがあります。
5〜6年ほど経ってからその公園の近くを偶然通ったので
私が作った遊具はどうなっているかなー?とのぞいてみると・・、
きれいに撤去されていました。(泣)

どうやら腐って危険と判断されて撤去したらしいです。
完全な外部ですし、材料が材料ですから仕方がないとは思いますが、
もう少し材料を吟味された方がよろしいかとは思います。

さて、ウッドデッキに話を戻しますが、
ウッドデッキも環境的には公園の遊具とほとんど変わらないため、
木材にとってはかなり厳しい条件にさらされます。
前述の通り、材料が不適切だと数年しか保たない上に
処分するときは産業廃棄物扱いです。
(れっきとした毒ですから。)
つまり、処分するのもお金がかかるという意味です。

さらにウッドデッキはメンテナンス費用もかかります。
一般的な外部用木材保護材としてはキシラデコールが有名ですが、
すぐに色が剥げてくるので最初の年は1〜2年で再塗装、
その後も2〜3年おきに再塗装する羽目になります。
大きさにも依りますが、1回分の塗料代だけで1万円程度はかかるでしょう。

それがつらい方のために提案しているのは、YKKのリウッドデッキですが
通常のウッドデッキの倍以上の値段がします。
それ以外の方法としては、土間コンクリートを立ち上げて
タイル仕上げにするという手法もあります。
こちらもメンテ不要なのでお薦めです。

「ウッドデッキを作ろうか。」な〜んて思っている方は
本当に必要なのか?どんな生活シーンで使うのか?その頻度は?など、
家族でよく話し合ってから作るようにした方がいいと思いますよ。


★今日のテリー語録

「これが終わったら、また一つあなたの伝説が増えますよ。」

本当につらいときや予想外の困難な状況になったときはいつも、
自分にこう言い聞かせていたのを思い出します。
なぜかそう思って一生懸命に取り組んでいると、
意外な人に協力してもらったり幸運にも恵まれて
本当に何とかなってしまうから、人生は素敵だと思います。
そして、伝説を作ったあなたはもっと素敵です。

 

2009年02月28日

床下収納庫なんていらない!

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先日から始めました、愛の住宅カウンセラーが問う
住宅の「こんなものいらない!」第2弾です。
4つか5つぐらいかな?と思っていたのですが、
考えてみると結構ありました。


さて今日は、「キッチンの床下収納庫」です。

「それはあった方がいいのでは?」という声も聞こえてきそうです。
あえて断言させていただきます。「いりません!!」

お客様から「床下収納庫を作ってほしい。」と要望があがると
住宅会社の方ではたいていは、既製品の床下収納庫セット
(60cm角、旧松下電工製・現パナソニック製)
を注文します。

その床下収納庫のフタは
大工さんがフローリングなどキッチンの床材をはめ込むのですが、
他の床部分はしっかりとした2重構造なのに、
なぜかここだけは1重構造の床材だけになります。
ですから歩くたびに
「フワフワ・・、ギシギシ・・・。」
と音を立ててたいへん不快です。

先週のブログでも取り上げましたが、キッチンは毎日使うところです。
そして床下収納庫そのものの設置場所はたいていキッチンのシンクの前など、
なぜか必ず踏みつけるような所に作られてしまいます。
(その方が作りやすいという作り手の都合もあります。)
他の床がしっかり作ってあればあるほど、その部分の安っぽさが目立つようになります。

それでも使いやすい収納であればまだ我慢もできるかもしれません。
力学的にどうこういう以前に、床よりも下の物を取るという行為、
そしてその時の体勢がどれだけ腰に無理がかかるか何となくでも分かると思います。
ご年配の方に限らず、私のような腰痛持ちにとっても避けたい体勢です。

実際に設置してある家は多いのですが、みなさんとても正直です。
床下収納庫は床下の点検口も兼ねているので、
メンテナンスの際に開けさせていただくのですが、
これまたすごいものが出てきます。

・いたるところから芽が出た後に腐った、元・ジャガイモ
・芽が出たチューリップの球根のようにも見える、元・タマネギ
・太いワラのようにも見える、元・ネギ
・黒い石ころにしか見えない、元・里芋 などなど

ちょっとしたお化け屋敷よりもスリルがあります。
もっともフタを開けても空っぽのことも多いのですが、
いずれの場合もまともに使われていないことになります。

もっとも、住宅のメンテナンス、特に水回りの点検を考えると、
床下点検口(45cm角もしくは60cm角)はぜひとも必要ですが、
それであれば、別にキッチンである必要はなく、
洗面脱衣室や家事室でも構いません。

ですから、「床下収納庫はいらないが、床下点検口は作ってください。」
と言いたいのです。
もし特殊事情があって、どうしてもキッチンに作らざるを得ないときは、
大工さんによりしっかりした収納フタを作ってもらいましょう。
(※写真のフタは大工さんに作ってもらったものです。)
フタそのものは確実に重くなりますが、
歩いてもビクともしない床同然の収納フタになりますので
ふだんのストレスは確実に減らせます。


★今日のテリー語録

「誰も見ていない。絶対に誰にもばれない。
 そんなあなたをあなた自身が知っている。」

悪いことはできないものです。
すぐにばれるか、あるいはその恐怖におびえ続けることになります。
どちらにせよ、幸せからはほど遠い人生を送ることになります。

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