2010年07月08日

ヴォーリズが残した幼稚園。。。2/2

 
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・・・ ヴォーリズが残した幼稚園。。。1/2 の続きです。


 さて、視線を正面に据えると木製の階段が目に留まりました。
非常に存在感のある一枚物の木を使った階段は、もちろん100年前からのもの。
つまり明治時代からずっと、多くの園児たちを支え続けた階段なのです。

 この階段を見たとき、私がかつて通った古い木造建築の小学校の記憶が蘇りました。
ひょっとして・・?と思い、改田(かいでん)園長先生に訊いてみると、
やはり子供たちは階段で遊ぶのが大好きで
一日に何度でも上ったり下りたりするそうです。

 一気に駆け上がったり、手すりを滑り降りたり、踊り場から飛び降りたり・・と、
親の目線ではついつい「ケガをしないだろうか?」と思えるような遊び方をしてしまいますが、
今まで誰一人としてこの階段でケガをした子がいないそうです。
私も木造の小学校に通っていたときは、ほぼ毎日階段から飛び降りていましたが、
一度もケガをしたことがなかったのでよくわかります。

 これが最近の鉄筋コンクリート製の階段などでは、そんなわけにはまいりません。
適度にひざにかかる衝撃を和らげてくれる木の階段と異なり、
飛び降りるどころか、数回往復するだけでもひざが痛くなってしまいます。

子供たちは大人が思っている以上に賢いので、
ひざに負担がかかるような場所では決して飛び降りたりはしませんし、
違う階に行くことすらためらうでしょう。

つまり階段がコンクリート製になるだけで
子供たちの行動力まで大きく制限されるのです。

 窓も大きくて開放的ですから、
春夏はここが住宅地の真ん中にあることを忘れさせてくれるぐらい、
気持ちのいい風が通り抜けていきます。

冬も決して暖かいとはいいませんが、
園内を駆け回っている子供たちには関係がないようですね。

また、ここなら社会的にも問題になった
シックスクール(シックハウス症候群の学校版)とは無縁なので、
アレルギーに悩むお子さんにとっても馴染みやすい環境だと思います。

 外に出てみると、下見板張りの素敵な外観に心が奪われます。
ウイリアム・メレル・ヴォーリズ氏の設計もさることながら、
周辺の環境と調和しながらも、どっしりとした存在感を感じさせるのは、
100年の月日をくぐり抜けてきた歴史の重さと、
先人たちが残してくれた愛情の賜物なのかもしれません。

 歴史と伝統だけでなく、本当にいい環境をお子さんに与えたい・・と
願っている親御さんは多いと思います。
「百聞は一見にしかず。」
まずはお子さんと一緒に、実際の川上幼稚園に遊びに行ってみてはいかがでしょうか?

 園内のお子さんの様子をご覧になれば、
親御さんが抱いていた不安が一つ一つ解消されていくと思います。


★今日のテリー語録

「幼稚園と、介護施設は、違うのです。」

最近では、子どもが通う施設であっても、“大人目線”の快適性で選ばれるようです。
(まあ、幼稚園を選ぶのは、大人である親だから仕方がないのかもしれませんが・・・。) 
でも、かえって子供たちが本来持っている“エネルギー”を奪うことになっていないでしょうか?

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posted by テリー at 19:54| Comment(1) | TrackBack(0) | 木造の校舎

2010年07月07日

ヴォーリズが残した幼稚園。。。1/2

 
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 近年、教育関係者や建築家の間では、
子供たちが通う教育施設はコンクリート造よりも
木造が望ましいと言われながらも、
実際には、住宅密集地では様々な制約がつきまとうため、
木造の教育施設は極めて希であるのが現状です。

 そんなとき、金沢市内に築100年近い木造の幼稚園があると知人から聞いて、
興味が湧いた私はすぐに知人を通じて視察を申し出ました。
それが金沢市幸町にある川上幼稚園との出会いでした。


 さて、最初に園内を案内していただいたのですが、
まず玄関で驚いたのが、子供たちの元気な声がとても良く響くことです!

声の響き方から園児は100名ぐらいいるのかと思っていたのですが、
その半数以下の46名と聞いてもっと驚きました。

私は中に入るのも忘れて、玄関に立ったまま
しばらく子供たちの歓声に聞き入っていました。
子供たちの歓声の響き方がとても柔らかくて、
心地のいいものだったことにあらためて感激したのです。

 これは、明らかに木造建築の声の響き方です。
まるでコンサートホールのように柔らかい自然な響き方でした。

コンクリートの施設ではこんな響き方はしません。
コンクリート製の建物では、ある特定以上の周波数の音はカットされるため
人間の脳にも不快と感じる響き方をするそうです。
大人ですらそうなのですから、子供の情緒面に与える影響も決して小さくはないでしょう。

 さて、視線を正面に据えると木製の階段が目に留まりました。
非常に存在感のある一枚物の木を使った階段は、もちろん100年前からのもの。
つまり明治時代からずっと、多くの園児たちを支え続けた階段なのです。

現代では木造住宅にすら使えないほどの貴重な階段が、
今も当たり前のように使われているのは、
先人たちが大切に手入れをしてくれたおかげです。


★今日のテリー語録

「“ものを大切に扱いましょう。”・・・あなたは実践していますか?」

言葉だけを伝えても、見本となるべき親御さんが
“使い捨て”をしていれば、なかなか身につかないような気がします。

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posted by テリー at 06:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 木造の校舎

2009年07月14日

木造校舎の思い出・・子供たちに最適な環境とは? 3/3

 
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私たちが新校舎に引っ越した翌月から、古い校舎の取り壊しが始まりました。

古い校舎の思い出が、次々に浮かんでは消えていきます・・。

2年生や3年生の頃によく遊んだ校舎の部分、4年生の時に遊んだ中央階段の辺り、
自分が踏み抜いたフローリングのあった辺りなどが順番に壊されていきました。
私は新校舎の廊下から時々その様子を眺めていました。

とても寂しかったのを思い出します。

今更・・という話かもしれませんが、
私が通っていた木造の校舎は、小学校として適切な環境だったと思います。

廊下をどれだけ走ろうが、階段の踊り場から飛び降りようが、
ひざに負担を掛けることもなければ、ケガをすることもありませんでした。
夕暮れ時になると、怪談がよく似合う校舎ではありましたが、
それも子供たちの想像力をかき立てるものでした。

足音一つとっても、木が響く音はとても柔らかく、
コンクリートを歩く足音はとても冷たい音に聞こえました。
そして、いつも子供たちの元気な声が校舎中に響き渡っていたのは、
それを聞いているだけで、『学校=楽しいところ』の図式を思わせる力があります。

フローリングなどは痛みやすかったかもしれませんが、
それを直してくれる人の存在やありがたみを知ることにもなりました。
また、他への移動が盛んだったおかげで、
自然と他の学年の子たちと触れ合ういい機会にもなりましたし、
それによって下の学年の子には優しく、
上の学年の子たちには自分がいずれその学年になったらそうなるんだなー(ワクワク!!)という
期待感を持つこともできました。

時には校舎内の遊び場を巡って、他のクラスの子たちや他の学年の子たちとも
衝突することがありましたが、その解決方法を自分たちで探ることにより
大人になってからも必要な社会性を、自然と身につけていったような気がします。

結局、私の小学校の思い出というと、なぜか授業中の思い出はほとんどなく、(笑)
大部分は校舎のこの辺りで遊んだとか・・そんな思い出だけなんですね。
でも今から考えると、それがどれほど大事だったのかがよく分かります。

きっとその遊びの中でいろいろなことを学んだんでしょうね。
でも・・、今の子供たちはどこで遊び、どこで学んでいるのでしょうか?

そのことが、今も少しだけ気にかかります・・。


★今日のテリー語録

「子供たちは遊びの中で、いろいろなことを学んでいくんですね。」

学校の授業も確かに学ぶことには代わりはありませんが、
大人になってからも本当に役立つことって、
案外、ふだんの遊びの中で体得するようなものかもしれませんね。


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posted by テリー at 17:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 木造の校舎

2009年07月10日

木造校舎の思い出・・子供たちに最適な環境とは? 2/3

 
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さすがに何年も通っている内に、私はそのボロっちい校舎が好きになっていました。
そんなところに校舎の建て替えの計画が出てきました。
理由は、「戦前の建物であるが故の老朽化」でした。

昭和53年の宮城県沖地震の影響もあったかもしれませんが、
その当時はまだ小学4年生ですからそんなことは知る由もありません。

そして、昭和54年頃から小学校のグランドに工事用の仮設フェンスが建ち、
新校舎の新築工事が始まりました。
古い校舎は好きでしたが、これで新しい鉄筋コンクリートの校舎になれば、
今までのように他校の生徒からバカにされることもなくなるので、
どちらかと言えば、期待感の方が大きかったと思います。

さて、工事は順調に進み、私が6年生になったばかりの時に新校舎への引っ越しが行われました。
つまり、私は新校舎での初めての卒業生になるのです!
引越作業をしながらとてもワクワクしたのを思い出します。

新しい校舎は鉄筋コンクリート4階建てで、
外観もグレー一色ではなくカラフルな塗装がされていましたし、
当時の最新設備とカーペット敷きの教室まで備えていました。
ふだん嗅ぎ慣れない新築のニオイも
子供心に「やっぱり新築の校舎はいいなー!」と思える材料になっていたのですから
かわいいもんですね。
(今から考えればホルムアルデヒドやシンナーが充満していただけですが・・)

私たちは6年生だったので、4階建ての最上階に教室が割り当てられました。
つまり毎日4階まで階段を上ることになったのです。

実際に階段を上ってみて気がつきました。
「ひざが痛い・・・。」
小学生だからなぜだか分かりません。
慣れない4階までの往復だからひざに負担がかかったのかもしれない・・。
直に収まるだろうと思っていましたが、卒業までずっとそのかすかな違和感は残りました。

また、休み時間もなるべく階段の上り下りは避けたかったので、
自然と同じ階だけで過ごすようになりました。
用がない限りは違う階に行かないということです。
ですから新校舎に移ってからは、違う学年の子たちと触れ合う時間も自然となくなりました。

さらに休み時間になっても何となく校舎内が静かです。
木造校舎の時のような地響き(ドッドッドッー!!)が全く聞こえてきません。
廊下を走る者がいなくなったからです。

そして以前はそこら中に貼ってあった「ろうかは走るな!」のポスターも見当たりません。
走る者がいないのに貼る必要がないからです。
当然、年に一度描かされたポスター作りも標語が変わって、交通標語になりました。
表彰されたものだけは校舎内の掲示板に規則正しく貼られていましたが、
妙に小綺麗で殺風景な校舎内になりました。

そういえば、校舎内にいつもいたはずの用務員さんの姿も見ることはなくなりました。
さすがにコンクリート製の床を抜くパワフルな小学生がいないからでしょうか。
ちょっと寂しい気もしましたし、できれば卒業する前に
いつもフローリングを直してくれたお礼が言いたかったのですが・・・。

1日歩いているだけでひざが痛くなるような校舎ですから、
放課後に残って遊ぶような子も見当たりません。

かつての遊び場でもあった学校は、その新しい校舎にはありませんでした。


・・・その3につづく。


★今日のテリー語録

「子供の五感は、大人が考えている以上に敏感です。」

子供たちは自分の感覚にとても正直です。
歩いてみてひざが痛ければ、なるべく歩かないようにしますし、
不快な場所ではサッサと帰ろうとします。
どこが”安全”か、的確に判断する子供たちの声に、もっと耳を傾けてみませんか?


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posted by テリー at 11:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 木造の校舎

2009年07月08日

木造校舎の思い出・・子供たちに最適な環境とは? 1/3

 
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私は金沢市内の公立小学校で6年間を過ごしました。

私が通っていた小学校は、入学当時古い木造2階建ての校舎でした。
何でも戦前から建っていた校舎らしく、校内にあった古い写真を見ると、
田んぼの真ん中に私が通っていた当時と変わらぬ校舎が建っており、
金沢市立○○小学校の名称が○○尋常小学校になっていました。
さらに校門から見えるところには二宮金次郎の銅像も建っていました。

高度成長期に人口増加と宅地開発によって新設された小学校ではなく、
由緒正しき?小学校だったことが伺えます。
しかし、小学校に入学したばかりの私にとっては、単なる古めかしい学校に過ぎなかったので
実はとても不満を持っていました。
「何でよりによってこんなボロっちい校舎なんだ?」と思っていましたし、
たまたま知り合った他校の生徒からも「あのボロっちい学校に通っているの?」と訊かれ、
「・・うん。」と答えることが恥ずかしかったからです。

私が通っていた当時は、1学年120人ほどだったので1年生〜6年生までで
ざっと720人以上が通っていたことになります。
とにかく騒がしい学校でした。
でも今と違って「学級崩壊」という意味ではありません。

例えば、2限目の授業終了(休み時間開始)のチャイムが鳴ると、
体育館や運動場の場所取りのために何十人かが一斉に廊下を走り出すのです。
また階段の踊り場でも必ず飛び降りる者が続出していました。

そんな状態ですから、校舎内の至るところに「ろうかは走るな!」といった標語のポスターが
貼られていましたし、年に一度は図画工作の時間に「ろうかは走るな!」の
ポスターを描かされていました。
校舎の至るところに貼らなければならないので、毎年生徒に描かせて貼らないと追いつかないのです。

もっとも、標語の効果があまりないのは、今も昔もあまり変わらないようです。

さて、この状態は放課後になってもあまり変わらず、学校の校庭だけでなく、
体育館や廊下でも遅くまで学校に残って遊んでいる子たちがいました。

とにかく学校は授業を受ける場所であったと同時に、子供たちの最高の遊び場でもありました。
今だから言えますが、どう考えても学校に遊ぶためだけに出席している子も
ある程度はいたように思えます。
その代わり、(時代背景もあるでしょうが、)私が通っていた時代は6年間を通して
いわゆる不登校の子は一人もいませんでした。

子供たちの遊び方というか、走り方が激しいこともあって、
廊下のあちこちには常に数ヶ所は「キケン!」とか「注意!」のような小さな立て看板が立ち、
壊れたフローリングの修理中であることを知らせていました。

小学校には必ず用務員さんがいて、用務員さんの仕事の大部分は校舎中のフローリングの修理でした。
ですから授業の最中だけでなく、場合によっては危険な休み時間中もフローリングの修理をしていました。

時には、その修理中の用務員さんの頭上をジャンプしながら走っていく悪ガキもいたので、
さすがの用務員さんもキレて!!、走っていく子供を怒鳴りつけていることもありました。

実は私もよく廊下を走っていたので、何ヶ所かは用務員さんのお世話になったことになります。
ある日、私が壊してしまったフローリングを用務員さんが一生懸命直していました。
私は「用務員さん、ごめんね。」と心の中で言いながら、その横をやっぱり走り抜けていました。(笑)


・・・その2につづく。


★今日のテリー語録

「結局、一人では生きていけないってことなんだよね。」

私たちが便利で快適な生活をできる・・ということは、
誰かがそれを作り、誰かがそれを直し、誰かがそれを維持している・・ということです。
気をつけているつもりでも、ついついその誰かのことを忘れてしまうときがあります。
「金を払ったのだから(税金を払ったのだから)、当たり前!!」・・になっていませんか?


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posted by テリー at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 木造の校舎

2009年05月22日

川上幼稚園の遠足

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先日、私がお世話になっている川上幼稚園(金沢市幸町)の改田(かいでん)園長先生から
お誘いを受けて、川上幼稚園のイベント「春の遠足&母の日&キャンプ・ツアー」
(正式名称が分からなかったので、勝手にネーミングしました・・。)に
途中参加させていただきました。

場所は、石川県森林公園(石川県河北郡津幡町)。
http://www.justmystage.com/home/fpishikawa/

ちなみに私の子供は川上幼稚園に通っていないので、
その場に来ていた園児の保護者のみなさんは、
「誰だろう・・?」と思っていたことと思います。
 (驚かせてごめんなさい。特別ゲストということで・・。)

こちらの幼稚園は本当にユニークです。
そのユニークさの源泉は何だろう??と時々考えさせられます。

今回のイベントにしても、
「気温も高くなってきたし、外で食べるお弁当は格別だから遠足に行こう。」
「5月は母の日があるし、園児のお母さんを招待しよう。」
「お母さんが一番喜ぶのは何だろうね?
 普通は遠足というとお弁当を作らなきゃいけないけど、
 お弁当を作らないで『手ぶらで来ていいよ。』と言われたら、きっとうれしいよね。」
「材料を持っていって、それから現地調達の草を天ぷらにしよう。
 これならキャンプみたいで楽しいね。」

そんなわけで、今回のお昼ご飯は外で炊いたご飯(お焦げ付き、とっても懐かしいです!)
めった汁、野草(現地調達: ヨモギ、タンポポ、スギナ!?など)の天ぷらでした。
メニューとしては、とってもシンプルですが、
園児たちにとっても(どちらかといえばお母さん方にとっても)新鮮で、
「おかわりしていいですかー!?」との声が続出しておりました。

食事が終わったら、すぐ横の急斜面に数人の子供たちが上り始めました。
子供はこういう遊びが大好きですよね。
子供たちの行動を予測していたのか、すかさずロープが斜面の上から下ろされました。
あまりの用意の良さに笑ってしまいました。

ふだんなら「危ないからやめなさい!!」を連発するであろうお母さん方も
幼稚園の園長先生が率先してやっていることもあって、(笑)
最後にはお母さん方も園児たちと一緒に上り下りして遊んでいました。

一方、小さな子供が落ちたりしないよう、下で待機するお母さんもいました。
自分の子供とか誰の子供とか関係なく、声をかけたり手を貸したりしていて素敵でした。
大人がみんなで『子供たちを見守る』ってこういうことだよね・・と
あらためて思いました。

当日の天気予報で午後から降水確率80%だったので、お天気がとても心配だったのですが、
子供たちがバスに乗るまで雨に降られることもなく、無事終了いたしました。

園長先生曰く、
「なぜかイベント事が雨で中止になったことがないんですよね。
 きっと神様に守られているんですよ。(笑)」

本当に川上幼稚園の発想の豊かさには驚かされます。
http://www2.spacelan.ne.jp/~kawakami7/index.html

また、素敵なイベントに呼んでくださいね。


★今日のテリー語録

「楽しそうな人の周りには、やっぱり楽しそうな人が集まる。」

最近は”人”だけではなく、楽しい”こと”も集まってくるんじゃないかなー?と
思うようになってきました。
私も楽しい”大人”になりまーす!!

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posted by テリー at 21:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 木造の校舎

2009年03月25日

川上幼稚園に行ってきました。その2

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園長の改田(かいでん)先生から聞いた話で
一番心に残ったことがあります。


ある園児を受け入れるかどうか?

そのお子さんは、体に障害を持っていて、
泣かしてしまうと呼吸困難の発作が起きて命に関わる危険性があるとのことでした。

さすがの園長先生でもこのときばかりはとても迷ったそうです。
何度も職員会議を開き、園医さんにも相談したのですが、なかなか結論が出ない。
それも当然のことでした。

川上幼稚園には40人以上の幼児がいます。
その子の思い通りになることはまずないでしょう。
そうなるとその子の命に関わることは容易に想像がつきます。
かといって常にお医者さんや看護師さんが常駐しているような整った幼稚園でもありませんし、
担当する先生のストレスもたいへんなものになると予想されました。
万一の際には、園長先生の責任問題にもなりかねないし、
他の園児たちへの影響も決して小さくはないでしょう。

最終的には、担当する先生の一言で方針が決まりました。
「大丈夫、きっと神様が見守ってくださいますよ。」
その一言で園長先生は覚悟を決めたのです。

しかし、その子のお母さんにも当然リスクの説明もしなければなりません。
最新設備が整った幼稚園でない以上、万一ということは十分にあり得るのですから。

お母さんの反発や不安も十分予想できた状況でしたが、
お母さんの返事は私たちの予想を大きく覆すものでした。

「もし万一のことがあったとしても・・・そのときは、
 この子が大勢のお友達に見守られながら神様の下に逝けるのですから、
 やっぱりこの子は幸せです。
 どうかこの子を川上幼稚園に通わせてください。」

結局、そのお子さんを受け入れることに決まり、
その子のお母さんも万一に備えて幼稚園に常駐するようになりました。
しかし、その万一の事態がなかなか起こらない。
(もちろん起こってしまうとたいへんなんですが・・。)

他の園児たちにも事情を話し、泣かさないように、そして発作を起こさせないように
注意して欲しいことをお願いしました。
もっともいくら注意したところで、まだ幼稚園児なんですから、
特に何もしなくても泣きそうになることは何度もありました。
それでも他の園児たちが一生懸命そばについて励ましたり、
何とかこの子の命が縮まらないようにがんばったそうです。

そうしているうちにその子自身にも変化が訪れ、
泣きたくなるような場面でも一生懸命泣くのを我慢するようになりました。
それこそが本当にお母さんが望んでいたことなのかもしれません。

最終的にその子は無事元気に卒園することができ、
現在は小学校にも元気に通っているそうです。

聞いている最中は、
「いい話だなあ。それになんて強いお母さんだろう。」と思っていたのですが、
いざ帰ってきてみて、そのことを書こうとすると涙が止まらないんです・・・。

このお母さんは元からそんなに強かったのでしょうか?
おそらくどこの幼稚園や保育園でも受け入れは断られたのだと思います。

・・かといって事情を知っているお母さんとしては、
泣かすと我が子の命に関わるのだから自宅ではどうしても甘くなる。
そのことを我が子も見越してどんどんわがままになる。
このままでは社会性も身につかないまま大きくなってしまう。
放っておくとやっぱり社会で生きていけないことになる・・。
どんどん追い込まれる中で母としての強さを発揮していったのかもしれません。

これはまさに『奇跡』だと思ったと同時に、誰にでもその強い思いがあれば
「きっと奇跡を起こせるのではないか?」とも思いました。


★今日のテリー語録

「あなたは守られているんですよ。」

私は特定の宗教を信じているわけではありませんが、
20年前に交通事故で心臓が止まった時以来(もちろん今は動いていますが・・)、
何か『大きな存在』に自分が守られているような気がします。
もちろんこれを読んでいるあなたも守られています・・。

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posted by テリー at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 木造の校舎

2009年03月22日

川上幼稚園に行ってきました。その1

先週、金沢市幸町の川上幼稚園に視察に行きました。
http://www2.spacelan.ne.jp/~kawakami7/p_top.html

fcba34df.JPGこの幼稚園を知ったきっかけは、
たまたま嫁さんの姪っ子が通っていたことでしたが、
その幼稚園の建物が築100年ぐらいの木造建築
らしいというのを聞いてとても興味がわいてきました。
(写真上)

また、園内で裸足で遊ばせているとか、独特の取り組みもしているらしいというのも聞いて
益々興味がわいた私は、嫁さんのお姉さんに無理を言って園長先生に会わせてもらうよう
お願いしました。

その週には卒園式があるのでたいへんお忙しい時期だったはずですが、
快く会うことを了承していただいた上に2時間以上も話を聞かせていただきました。
案内していただいた園長の改田先生は、非常に明るくて笑顔が素敵な女性だったこともあり、
ついついお話が楽しくてその人柄に引き込まれてしまったのです。(写真中)
本当にありがとうございました。

      2009_03200028a

さて、最初に園内を案内していただいたのですが、
まず玄関で驚いたのが、子供たちの元気な声がとても良く響くことです!
とても園児が46名程度しかいないとは思えないぐらいで
また子供たちの表情がとても明るいことも非常に好感が持てました。
子供たちの声の響き方が、なぜか温かいんですよねー。
コンクリートと木質系部材の違いが大きいのだろうと思いましたが、
まるでコンサートホールのように柔らかい自然な響き方なんです。

それと、玄関から正面に見えることもあって一番気になったのは
木製の一枚物の階段です。(写真下)

     2009_03200004a

子供たちは階段で遊ぶのが大好きで一日に何度も上がったり下りたりするそうです。
一気に駆け上がったり、手すりを滑り降りたり、踊り場から飛び降りたり・・と、
親の目線ではついつい「ケガをしないだろうか?」と思えるような遊び方をしてしまいますが

木の階段やフローリングだと意外とケガをしないそうです。

私もこの階段を見つけたときから、
「これはきっと歩くと気持ちいいだろうな〜。」という期待感をもっていましたが
その期待以上に気持ちよくて、子供たちが何往復もするというのが
よく分かる素敵な階段でした。
(私もゆっくりと2往復させていただきました。)

川上幼稚園に訪問する前までは、私が建築業界に長くいたこともあって
築100年近い建物がどのように維持管理されて、
それが園児の教育にどのように活用されているのかを見学するのが当初の目的でした。

維持管理のされ方は、文化財の指定を受けている建物ではないこともあって
おそらく業者さんの不理解によるものだろうと思える修繕のされ方も一部されていましたが、
(「外壁に最新のサイディングを張ったらどうですか?」という提案まであったそうです。)
玄関の子供たちの声を聞いた瞬間、そんなことはどうでもいいように思えてきました。

それよりも私の興味の対象は、園長先生や他の先生方の考え方や、
保護者の方々がどのような思いでここに大切なお子さんを預ける経緯に至ったか?
の方に移っていきました。


★今日のテリー語録

「便利すぎる世の中って、どうなんだろう?」

生活に必要なことがすべて自分一人でできるんだと、ついつい勘違いしてしまいそうです。

posted by テリー at 12:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 木造の校舎
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