2016年01月13日

売れる営業さんを見つけるといいことがある。その2


ちなみに鈴木さんがやっているのは
まずは「お客様を知ること」なんだそうです。
これは、

「商品を紹介して販売する人」と、
「その人への『価値』を提供して販売する人」の
違いとも言えるかと思います。
その人への「価値」を提供したいと思っても、
まずは相手を知らないとできませんよね。

現代はインターネットが普及して情報がいくらでも取れる時代です。
しかも商品の紹介は誰でも出来ます。
そして昔に比べて、商品を紹介している人が増え、
必然的に情報の量が爆発的に増えています。

単に商品のことを知るだけなら
その手段は、別に営業スタッフである必要はありません。
だからこそ、営業スタッフができることとは、
その人(お客様)への価値を提供することだと考えるからだそうです。

ショールームや展示場に訪れる人にはさまざまな事情や好みがあります。
たとえ家族構成や年齢が同じだからといって
悩みや心配事まで同じ・・ということはありませんよね?

当然同じ家を見ても、気になることや質問内容も変わるはずです。
そんなお客様のことをじっくりと知ろうとして
いっしょに悩んだり解決方法を考えてくれる営業パーソンであれば
家作りそのものが楽しいでしょうし、
同じお金をかけるにしてもきっと満足度も高く
感動の域にまで達する可能性が高いと思います。

鈴木さんの接客スタッフへのアドバイスにもありましたが、
売上が伸びないスタッフほど、
「商品の説明をどのように伝えるか?」(話すこと主体)で悩み、
反対に売上が伸びているスタッフほど
「お客様のことをどのようにして知るか?」(聞くこと主体)を
気にするんだそうです。

           

やはり自分たちのことを一生懸命知ろうとする営業パーソンと
いっしょに家作りをした方がいいですよね。

そんなわけでショールームや展示場に訪れたなら
まずはコミュニケーション上手とか、聞き上手な営業スタッフを見つけて
その方がいらっしゃったら積極的に相談してみてください。
きっとそれだけでも家作りの不安が解消できますよ。
ぜひやってみてください。

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posted by テリー at 06:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 住宅会社の選び方

2016年01月11日

売れる営業さんを見つけるといいことがある。その1


・・・ 売れる「接客」、鈴木比砂江さん。 の続きです。

さて、なぜ前回「接客」の話を出したかというと、
みなさんが望むと望まずにかかわらず大きな工事をする前には
ほぼ必ず・・といってもいいぐらい接客を受ける羽目になる
可能性が高いからです。

「エッ〜〜?」と驚かれた方もいると思いますが、
ちょっと考えてみてください。
みなさんが「マイホームを建てよう!」とか
「自宅をリフォームしよう!」と思ったとき、
どんな行動をしますか?

まずは住宅展示場や完成内見会に足を運んで
最近の住宅のデザインや設備、間取りや動線を
自分の目で確認に行くのではないでしょうか?

私のところに来る質問でも、
「家を見るとき、どこを見ればいいのですか?」
といった質問が多いところからいっても
手っ取り早く実際に建っている家を見に行くことが多いのだと思います。
ただ家を見に来ただけなのに、そこで必然的に受ける羽目になるのが
営業マン、あるいはショールームレディの接客です。

そこにはさまざまな営業パーソンがいます。
単にその家の機能やデザインの説明をするだけの人、
「どうせ冷やかしだろう・・」とまともに説明すらしない人、
ほぼ一方的にその会社の説明だけする人、
お客様が来たのにスタッフ同士の会話に熱中する人、
お客様の様子や相談事に耳を傾けたり、
お客様への適切なアドバイスを考えてくれる人など。

忙しい時間を割いてわざわざ家を見に行くのですから、
どうせなら新しい家のデザインや間取りを見るだけでなく
自分たちにあった適切なアドバイスを受けた方が
はるかに得だと思います。

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2015年06月19日

まずは50社、回りましょう。その3

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3.担当者との相性をつかむ

住宅メーカーさんの特徴を大雑把につかむ・・といっても、
初めての家作りにおいては、なかなかわからないことも多いですよね。
「どこのメーカーで話を聞いても、
 そのメーカーが一番良さそうな気がしてきて・・。」

はい、私にも経験があります。
聞けば聞くほど、どこがいいのかわからなくなってくるんですよね〜。(^_^;)
そんなときに一番頼りになるのが、「担当者との相性」とか、
「何となくよさそう〜」・・という感性の部分です。

逆に一番、決め手になりにくいのが、
「価格重視」とか「スペック重視」です。
下手をすれば「安物買いの銭失い」になるような建物を
売りつけられる恐れすらあるんです。

実はこの担当者の部分がとても大事になります。
スーパーなどでの買い物であれば、
たとえレジを売っている人が感じの悪い人だな〜と思っていても、
一瞬イヤな思いをするだけで済みます。
でも、注文住宅の場合は、実際に家を買って自分が住むまでに
数十回もの打ち合わせをして、間取りや仕様、価格を決める必要があります。

「嫌いな人と何十時間もいっしょに打ち合わせができますか?」

他の買い物と違い、住宅の場合は買っておしまいではなく、
そこから住み始めるわけですから、むしろスタートになります。
住み続ければちょっとした不具合やメンテナンス、
点検も必要になってきますから、
その家に生涯住み続けるのであれば、
その担当者もしくは会社とも一生涯のつきあいになるわけです。

好きな人、好きな会社を選んでおけば、
言い換えるなら、一生涯つきあいたくなるようなところを選んでおけば、
困ったときにも気軽に相談できますし、
大きなお金を支払ったマイホームへの愛着も出てきます。
それと、気に入った担当者の方が選ぶ職方さんは、
やっぱりすてきな人が多い傾向があります。

ですから、住宅のことがよくわからないから・・といって
各会社さんの説明の違いや善し悪しを
一生懸命調べる必要もありません。
工法の違いも関係ありません。
自分が信頼できる人が薦めてくれる工法や仕様が
あなたにとってベストバランスの工法であり
ベストバランスの仕様なんです。

一生涯いっしょに住み続ける結婚相手を選ぶつもりで、
ぜひとも理想のパートナーを見つけてください。
「私が少なくとも50社を回って欲しい」というのは、
それぐらいは回らないと、理想の担当者だと思える確信に至らないだろう
・・という経験則的なものです。

みなさんが理想のパートナーを見つけられて
すてきな家に住めることを心よりお祈り申し上げます。

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2015年06月16日

まずは50社、回りましょう。その2

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でも、家作りが初めての方だからこそ、
まずは50社を目安にしていろいろと見て回って欲しいのです。
その理由を詳しくお話ししていきましょう。

1.下見

なんでもそうですが、ふだん買ったことのないモノで
しかも高価なものを買うときに必ずやることが下見ですよね。
まずはどんな家があるのか?
デザインだったり、使い勝手だったり、部屋の大きさだったり
間取りの様子など、とにかく「イマドキの家」をいろいろとみて歩くのです。

一口に「家」といっても
100年前に建てられた家と、40年前に建てられた家、
さらにアパートやマンションと戸建て住宅でも全く違うのですから、
「何が違うのか?どう違うのか?」
を知ることはとても大切なことです。
そのために下見を繰り返すのです。

2.それぞれの家の特徴を大雑把につかむ

イマドキの戸建て住宅・・といっても、内容はさまざまです。
外観デザイン一つとっても、
各メーカーさんや設計士さんの色・・というか、クセもあります。
自分の好みを知るためにも、いろいろと気軽に見て歩きましょう。

もちろん家の内部や間取りの作り方、色合いなども
各メーカーさんによって、けっこうクセのようなモノがあります。
玄関の広さだったり、収納の取り方、階段や廊下の幅、トイレの作り方も
メーカーによってけっこう違う上に、
なかなかそこから外れることもできないようです。
もっとも多く普及している木造在来軸組工法であっても
それを建てているメーカーさんによって、
組み合わせる資材や断熱材、考え方はずいぶんと違います。

それぞれの考え方によって、使う資材(つまり原料)を選んでいるのです。
たとえば、「コスト最優先で安全性はあまり重要視していない」とか、
「見た目のデザイン性を優先して、建物の耐久性は重要視していない」
・・といった具合です。

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2015年06月15日

まずは50社、回りましょう。その1

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ゴールデンウィークから
「そろそろ家を考えないと・・」といった感じで
住宅展示場を回り始めた方もいらっしゃるかと思います。

私もGW中にヘルプで住宅展示場でご案内をしていたのですが、
「どこで建てればいいのかわからない。」
「(私たちにとって)、どこが一番いいのか?」
というお客様の不安を感じることがよくあります。

他のものであれば、
何かしら買った経験があっても、
初めての家作りとなると、
「いったいどこから手をつければいいのか?」
よくわからないのも無理はありません。
家の場合は、難しい建築用語や不動産用語も多いので
なおのことですよね。

家作りにおいて、一番確実でスムーズなのは、
信頼できる「家作りパートナー」を見つけて、
そのパートナーのアドバイスを聞きながら、
一つ一つステップを進んでいくことだと思います。
では、信頼できる「家作りパートナー」は
どうやって見つければいいのでしょうか?

住宅関連の本を読むと、家作りのパートナーとしては、
●大手ハウスメーカー
●地場の工務店
●設計事務所
が挙げられることが多いです。
「営業さんが電話をかけてきたりされるのはイヤなんですけど・・。」

厳密に言えば、どこでも営業さんはいます。
大手さんはもちろんのこと、
地場の小規模な工務店なら社長さんが営業マンになりますし、
設計事務所であれば、担当の設計士さんから営業されるわけです。

ですから、どのカテゴリーなのかは置いておいて
まずは50社回るところから始めてください。
50社という数字を出すと、
たいていの方は「エエ〜〜〜!!」と驚かれます。(^_^;)
「1〜2ヶ所で説明を受けるだけでも大変なのに・・。」
「イエイエ、“50社回ってください”とは言いましたが、
 50社の説明を受けてくださいとは言っていませんし、
 すべてのところで中に入る必要もありません。」

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2014年02月01日

マンガ・はじめて家を建てました!


時折いただくメールの中には、
「これから家作りを本気で取り組んでいきたいのですが、
 まずは何から始めればよろしいでしょうか?」
というメールをいただくことがあります。

確かに生まれて初めての家作り、
いきなり住宅展示場に行くのも気が引けるし、
何で勉強すれば良いのか分からない・・
というお気持ちも理解できます。

一生に一度の買い物で失敗したくはないのは当然ですよねー。
そんなわけで1冊の本を紹介します。


「マンガ・はじめて家を建てました!」(あべかよこ著)

  建築家、ハウスメーカー、工務店の違いって?
  「1000万円値引きします!」そのからくりは?
  「土地探しや間取り」より「資金計画とライフプラン」が大事?
  満足できる家を建てられるかは営業マン次第?
  実体験と取材で学んだ家づくりのノウハウ満載。

            
 
通常のマニュアル本と違い、
買う側の視点で描かれていることと、
「満足できる家を建てられるかどうかは営業マン次第」
・・というところはまさにその通りなので
とりあえず読んでおいて損はない本です。

それも住宅展示場に行く前に読んでおく方が良いでしょう。

なぜなら住宅展示場に行って、受付で名前を書いた瞬間に
あなたの担当者が決まるからです。
(買う側のあなたに選択権はありません!)

今後、住宅展示場や内覧会などに足を運ぶ前に読んでおくことで、
住宅会社やハウスメーカーの営業さんがどのように来るか
ある程度予測が立つので、心の準備ができていいと思いますよ。

それとサブタイトルに
「いちばん最初に読む家つくりの入門書」と書かれているだけあって
家を建てるにあたってこれぐらいは知っていてほしいな・・
と思えるような予備知識も簡潔に説明されているので
まずはここに書いてあるような用語には慣れた方がいいかと思います。

プロじゃないので、細かい説明ができなくてもいいのですが、
土地や住宅建築に出てくる用語って、日常生活では使われていない用語も多いので
「それって、たしか○○のことだよね。」と
何となくでもイメージできるぐらいになっておいた方が
後々トラブルの種を減らすことができますよ。

なお、この本は首都圏での住宅建築の経験が書かれているので
私たちが住む北陸の事情で考えると、
「家のつくり」の部分なんかが違う説明になっているところもチラホラありますが、
それは具体的な計画を起こすときにしっかりと勉強すればいいことですから
まずはとっかかりに読んでみることをオススメします。
 
             

  
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posted by テリー at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 住宅会社の選び方

2013年06月13日

ローコスト住宅は、、、安くない!?その3

 
・・・ ローコスト住宅は、、、安くない!?その2 の続きです。


3. 資材の質を落とす

たとえば、土台や柱、床下の部材にはシロアリに弱い部材を使ったり、
外壁材も経年変化に弱い部材が使われていたりします。
さらに湿気の多い北陸であっても、基礎の高さが低くて湿気が回りやすくなっていたり、
屋根材も「瓦は高くつくから・・」と、湿気に弱い部材が使われていたりします。

素材の耐久性はその地域の特性とも密接な関わりがあるものの、
このような資材を湿気が極端に多い北陸で使うと、
ほぼ確実に・・と言っていいほど、建物の耐久性に影響が出ます。

たとえば10年未満で外壁の全面リフォームが必要になったり、
10年ごとにシロアリ駆除剤を撒く羽目になったり・・。
つまり、価格の安さは耐久性との引き換えになっているわけです。

極端なローコスト住宅は、メンテナンス費用がはるかに高くつきます。

しかも外壁を直すとなれば最低でも200万円以上かかりますし、
屋根を直すのも100万円以上します。
ということは、買うときに安く買ったつもりでも、
トータルでは意外と高い買い物になる可能性が高いというわけです。

これが、「ローコスト住宅は、安くない」といった本当の理由です。

ちなみに私のような建築の業界に長くいる人間は
ローコストと呼ばれるメーカーさんで自分の家を建てることはまずありません。

使われている素材の性質やその耐久性もある程度予測がつくので
建てた後からメンテナンス費用がどんどん高くつくことを知っているからです。

大きな買い物であるだけに価格に気をとられるのは無理もないのですが、
自分の生涯の資産を託すわけですから、
安心できる家を建てている業者さんを見つけてくださいね。


★今日のテリー語録

「長い目で見て安く上がるような家を建ててほしいんです。」

買うときに安く上がるローコスト系の住宅は
早々に大規模なリフォーム工事が必要になりますし、
悪徳系のリフォーム会社の餌食にもなりやすくなります。
住宅の維持管理にはそれなりにお金がかかるのはやむを得ませんが、
その地域で実績のある素材を使ってくれて
信用できる施工会社を選びたいものです。

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posted by テリー at 21:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 住宅会社の選び方

2013年06月11日

ローコスト住宅は、、、安くない!?その2

 
・・・ ローコスト住宅は、、、安くない!?その1 の続きです。


2.資材の量と手間を省く

ローコスト系の建物は会社が違っていても外観は比較的似ています。
正確にいうと、同じような発想でプランニングや施工を行っているので
似てくる・・といった方が正しいでしょうか?

まず、軒先はほとんど出ていません。
軒先とは、外壁面より外に出た屋根の部分のことです。
(お寺や神社ですと、かなり大きく出ていますよね。)

でもローコスト系の建物ではほとんど出さないか、
全く出ていなくてまるで小さなビルのような外観の建物も多いようです。

軒先を出すと、屋根材や屋根を支える構造材も
その分多く必要になってコストアップにつながるため
意図的に屋根をあまり出さないようにしているのです。

ただ、、、これを雨の多い日本でしてしまうと、
外壁が傷みやすくなり、雨漏りもしやすい家になってしまうので
決してオススメできるものではありません。

よろしければ、ブログ記事
家を長持ちさせたくても後から手をつけられないところ。その4
をご覧ください。

他にも資材の量を減らしているところがいくつもあります。

たとえば柱の寸法、まあ、ギリギリのところが多いです。
それと梁など横架材は積雪地であっても
積雪の荷重を無視して細いものを使っていたり、
木造在来工法であっても
床の下地や壁の下地を一部省略したり、
薄いものを使っているところが何ヶ所も見られます。

なお、このように資材の量を減らしていくと
同時に大きく減らせるものが出てきます。

それは人件費です。
部材が増えると、それを打ち付けるための手間も増えていきます。

逆にいえば部材や資材を減らすことで手間も大きく減らせるのです。
現場での施工が基本となる建築においては
この人件費の比率は決して無視できるものではありません。
工期が1ヶ月早まればそれだけでもコストが大きく削減できます。

もちろん建物のクオリティに何ら影響がないのであれば
このような資材の簡素化によるコストダウンは大いに歓迎されるものでしょう。

しかし、今ここで挙げたような資材の簡略化・省力化は
建物の寿命を縮める方向のものも多いのです。

たとえば冒頭で挙げたような軒の出を極端に縮めると
外壁の寿命が10年前後まで落ちていったり、
屋根の勾配を緩くすることで屋根の寿命を減らすケースもあります。

玄関ポーチの奥行きも浅いので
ちょっとした雨でも湿気の影響を受けやすくなったり、
積雪時には玄関ドアが開かなくなることも出てきます。

また、ちょっとした積雪で室内の扉が開かなくなったり、
床が大きくたわんだり、地震の時も被害が大きくなるなど
建物のメンテナンス費用がかさむ可能性が増えていきます。


・・・ ローコスト住宅は、、、安くない!?その3 に続く。


★今日のテリー語録

「安いものには、必ず“理由”がある。」

これは住宅だけではなく、あらゆるモノに言えることです。
その安さの理由に納得できた上で購入するのであればいいと思うのですが、
本当の“理由”は、意外と知らされていないことの方が多いのかもしれません。

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posted by テリー at 21:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 住宅会社の選び方

2013年06月10日

ローコスト住宅は、、、安くない!?その1


「ローコスト住宅と高い住宅では何が違うのか?」
たまに聞かれる質問です。

ローコストと呼ばれるメーカーさんのホームページを見れば、
「資材の一括注文や中間卸売りの排除など
 徹底した無駄を省くことによって
 ローコストを実現!!」
といった文句を見かけることがあります。

もちろんそれはその通りでしょう。
住宅は確かに様々なパーツや高額な設備機器なども組み込まれているので
それらの仕入れ価格が下がれば、おのずと住宅全体の価格も下がるからです。

でもそれだけで住宅の価格が半分になったり
1/3になったりするわけではありません。

特に私のように現場も経験している人間が
ローコストと呼ばれるメーカーさんの建築中の現場を見ると、
「なるほど、、、こういうところでコストダウンを図っているのか・・。」
と分かるポイントがいくつも見つかります。

おおまかに3つのポイントに絞ってお話ししていきますね。


1.細かい収納スペースを排除

すべてとはいいませんが、ローコスト住宅では
収納スペースは一般的に少なめです。
正確にいうと、1階はほとんど収納がない代わりに
2階にはやたらと多いという特徴があります。

これはどういうことかというと、
1階にリビングと水回り(キッチン・お風呂・洗面など)を配置し、
2階に寝室や子供部屋を配置していくと
どうしても1階のスペースの方が多く必要になるため、
価格を抑えようとすると、
1階にはあまり収納を多く割けないという事情があります。

建物は同じ床面積なら総二階の形にした方が安く上がるため
2階の方に収納を多めに配置することで
1階の床面積と2階の床面積を近づけることができるのです。

このようにすると、結果として1階に収納が全くなくて
2階の方にやたらと収納が多くなる家ができあがります。

また、押入や納戸スペースのように大雑把な収納なら
それほど作業効率が落ちることはありませんが、
(床面積が増えるので坪単価にも入れられる・・。)
本棚やニッチ、壁面収納、階段下収納のような細かい収納スペースは
作業効率が落ちるため面積の割には割高になる傾向があります。

ですからローコスト系ではそのような面倒な収納も
基本的にはオプション扱いになっているはずです。
早い話が人件費を余計なところに割かないようにしているわけです。

部屋の収納はタンスなどの収納家具を入れればそれでよい
・・と聞いたこともありますが、
後置きの収納家具は地震の際には凶器になってしまいますし、
何よりせっかく確保したはずの部屋の広さもその分狭くなる上に
色もバラバラで統一感に乏しい空間になってしまいます。


・・・ ローコスト住宅は、、、安くない!?その2 に続く。


★今日のテリー語録

「収納の基本は、使うところに設けること。」

使うところに近いところに設けることで
適切な整理整頓につながります。
1階でしか使わないモノをわざわざ2階の収納に収めるなんて
まず考えられないと思います。

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posted by テリー at 06:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 住宅会社の選び方

2013年05月17日

築3年で建て替えたい人のお話。その3

 
・・・ 築3年で建て替えたい人のお話。その2 の続きです。


でも、その奥様のいうことも分かるような気がしてきました。

数多く建てているハウスメーカーさんで建てた家って、
私たちのような業界の人間から見れば外観だけですぐに分かりますし、
中の間取りや設備も限定された標準仕様の中から選ぶことが圧倒的に多いので、
同じハウスメーカーで建てた場合、たとえ知らない他人の家であっても、
まるでアパートの隣室のように全く同じ間取りで同じような内装ということも
決して珍しいことではないからです。

注文住宅を建てること、つまり家作りをするということは、
本来であれば最高のオリジナルの家になるはずなんですが、
結果としてその会社のモデルハウスを
お客がお金を出して建てさせられた・・という感じでしょうか。

もちろんその会社が悪いとは全く思いませんが、
(むしろ営業力の高さに感心するほどです。)
数多くの家を建てている大手ハウスメーカーさんで家を建てると、
かなり高い確率で、そこら中に建っているような・・、
(言い方は語弊があるかもしれませんが、、、)
建売住宅のような家を建ててしまう結果になるでしょう。
それがイヤな人は大手さんは避けた方が無難かもしれません。


その奥様から最後に質問されたことがありました。

「家は3回建てないと、気に入ったものにならないんですか?」

確かに家に対する知識をとっても、
初めて建てる人とすでに建てた人では全く違いますし、
住む人のライフスタイルが変化することで気になる部分も変わっていきますが、
だからといって必ずしも3回建てなければならないことはないでしょう。

むしろ家へのイメージを長い期間をかけて大きく膨らますことで、
「これが私たちの家」という夢を実現できると思うのです。
何か新しいモノを買うときはすべて同じだと思うのですが、
自分が全く知識がない場合だと、
「価格は違えども結局はあまり変わらない」・・と思いがちです。
でも実際には価格や形態の違いにはすべて意味があるんですよね。

特に注文住宅の場合は、単なる商品知識を増やすということに留まらず、
自分たちの生活やライフスタイル、
将来どのように子育てしたいのか?
介護の問題はどうするのか?など、
自分たちの現在と10年後、20年後の生活をイメージすることで、
それに沿ったプランニングをすることもできますし、
それを支えてくれる会社さんも少なからずいるわけです。

生活のプロであるお客様と、建築のプロである住宅会社が協力することで、
単なるカタログショッピングのような家作りではなく、
世界でただ一つの「マイホーム」を建築することができます。

後悔をしないためにも、手間暇を惜しまないことが大切ですね。
参考にしていただけると幸いです。


★今日のテリー語録

「実際に家を3回建ててみると・・。」

家を3回建てた人を一人だけ知っていますがその方のコメントが印象的でした。
「実際に建ててみるとやっぱり小さな失敗もあるけれど、
 それでも今までの夢や考えていたことを形にすることができたので、
 今はとても満足しています。(^o^)」

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posted by テリー at 06:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 住宅会社の選び方
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