・・・
ローコスト住宅は、、、安くない!?その1 の続きです。
2.資材の量と手間を省く
ローコスト系の建物は会社が違っていても外観は比較的似ています。
正確にいうと、同じような発想でプランニングや施工を行っているので
似てくる・・といった方が正しいでしょうか?
まず、軒先はほとんど出ていません。
軒先とは、外壁面より外に出た屋根の部分のことです。
(お寺や神社ですと、かなり大きく出ていますよね。)
でもローコスト系の建物ではほとんど出さないか、
全く出ていなくてまるで小さなビルのような外観の建物も多いようです。
軒先を出すと、屋根材や屋根を支える構造材も
その分多く必要になってコストアップにつながるため
意図的に屋根をあまり出さないようにしているのです。
ただ、、、これを雨の多い日本でしてしまうと、
外壁が傷みやすくなり、雨漏りもしやすい家になってしまうので
決してオススメできるものではありません。
よろしければ、ブログ記事
「家を長持ちさせたくても後から手をつけられないところ。その4」
をご覧ください。
他にも資材の量を減らしているところがいくつもあります。
たとえば柱の寸法、まあ、ギリギリのところが多いです。
それと梁など横架材は積雪地であっても
積雪の荷重を無視して細いものを使っていたり、
木造在来工法であっても
床の下地や壁の下地を一部省略したり、
薄いものを使っているところが何ヶ所も見られます。
なお、このように資材の量を減らしていくと
同時に大きく減らせるものが出てきます。
それは人件費です。
部材が増えると、それを打ち付けるための手間も増えていきます。
逆にいえば部材や資材を減らすことで手間も大きく減らせるのです。
現場での施工が基本となる建築においては
この人件費の比率は決して無視できるものではありません。
工期が1ヶ月早まればそれだけでもコストが大きく削減できます。
もちろん建物のクオリティに何ら影響がないのであれば
このような資材の簡素化によるコストダウンは大いに歓迎されるものでしょう。
しかし、今ここで挙げたような資材の簡略化・省力化は
建物の寿命を縮める方向のものも多いのです。
たとえば冒頭で挙げたような軒の出を極端に縮めると
外壁の寿命が10年前後まで落ちていったり、
屋根の勾配を緩くすることで屋根の寿命を減らすケースもあります。
玄関ポーチの奥行きも浅いので
ちょっとした雨でも湿気の影響を受けやすくなったり、
積雪時には玄関ドアが開かなくなることも出てきます。
また、ちょっとした積雪で室内の扉が開かなくなったり、
床が大きくたわんだり、地震の時も被害が大きくなるなど
建物のメンテナンス費用がかさむ可能性が増えていきます。
・・・ ローコスト住宅は、、、安くない!?その3 に続く。
★今日のテリー語録
「安いものには、必ず“理由”がある。」
これは住宅だけではなく、あらゆるモノに言えることです。
その安さの理由に納得できた上で購入するのであればいいと思うのですが、
本当の“理由”は、意外と知らされていないことの方が多いのかもしれません。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ランキング参加中です。

内容に共感していただけたら、 ↑ クリック ↑ をお願いいたします。