2011年08月20日

祖母から学んだこと。(お年寄りと同居する方へ・・) その3

 
・・・ 祖母から学んだこと。(お年寄りと同居する方へ・・) その2 の続きです。


4.骨粗鬆症対策

ようやく骨もくっつき退院した祖母でしたが、
家の中の段差はそのままですし、骨粗鬆症が進んでいたので
いつつまずいて骨折するかわかりません。

とにかく少しでも骨折のリスクを避けるために、
毎日のようにカルシウムウエハースを食べていました。

「こんなもの、気休めに過ぎないのでは??」と思っていたのですが、
食べ始めてから1ヶ月もすると、あれほど丸くなっていた背骨が少し伸びていました。
牛乳嫌いの高齢者であっても、ウエハースであれば
口当たりも優しくて食べやすいですし、効果は確実です。

おやつ代わりにお茶と一緒に食べるのもよし、
毎食の食事の後にデザートとして食べるのもいいでしょう。

とにかく、一日の生活の中に織り込むことで、
日々抜けていくカルシウムを補填していくことで
万一の転倒などの際でも、軽傷で済む可能性が高まります。

骨折 → 長期入院 → 痴呆 → 介護者の負担増
という流れにならないよう、特に女性はなるべく若いうちから
意識してカルシウムを取るようにしてください。


5.洋式トイレ

これも昔からずっと和式に慣れたご年配の方だと
心理的な抵抗が高いようですが、
トイレは慣れの問題の方が大きいので
「最近、腰が痛くて・・。」とか、
「立ち上がるときがつらくて・・。」
という言葉が出たときには、洋式トイレに交換するタイミングと考え
早めに洋式トイレに改修してしまいましょう。

洋式トイレの横には伝え歩きができるものがあれば、なおいいのですが、
それがなくても、立ち上がるときにつかまることのできる
たて手すりが1本あるだけでも十分かと思います。

車いすが入れるほどのスペースが必要か?と聞かれることもあるのですが、
足の不自由な若い人と違い、お年寄りが車いすになったとき、
もはや家での介護はあきらめた方がいいかと思います。
(腕力なども足腰以上に衰えているため、お年寄りを支えきれないでしょう。)


6.痴呆が進むと・・・。

最初はちょっとした物忘れが多くなった・・という感じですが、
食事をしたことを忘れたり、腐っているものでも平気で食べたり、
そして、足腰の丈夫な人だと、そのまま昼夜を問わず外出していきます。
(ふつうは徘徊と呼ばれますが・・。)

もっとも自宅の場所を忘れていることも多いので、
放っておいてもなかなか帰ってこれない可能性が高くなります。

そうなると、事故や事件に巻き込まれる可能性も出てきますので
自宅での介護はかなり難しくなってきます。
これにご家族の介護疲れなども重なると、
介護施設への入所も視野に入れることになるかと思います。

これらはすべて私の祖母の例ですが、
介護の可能性がある方にはきっと参考になるかと思います。


★今日のテリー語録

「介護する側も、介護される側も・・。」

介護する側は、「今まで世話になったのだから、恩返しできて幸せ〜♪」、
介護される側は、「身の回りの世話をしてくれてありがとう!」
お互いに、「ありがとう!」という言葉を掛け合いながら
感謝の気持ちでできるといいですね〜。

 

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2011年08月18日

祖母から学んだこと。(お年寄りと同居する方へ・・) その2

 
・・・ 祖母から学んだこと。(お年寄りと同居する方へ・・) その1 の続きです。


2. 家の中の小さな段差。

80歳を過ぎても相変わらず、口も手も達者な祖母でしたが、
あるとき、家の中の敷居(段差25mm)につまずき
足の骨を骨折してしまいました。

小さな子供が敷居でつまずいて転んでも
ケガをすることはほとんどないでしょうが、
お年寄り、特に女性の場合は骨粗鬆症が進んでいることも多いので
ちょっとしたことで簡単に骨折してしまいます。

  骨粗鬆症とは、

  年をとることや閉経を迎えたことに加えて、食事でのカルシウム摂取不足や運動不足などが
  原因となって骨のカルシウム量が減少し、骨がスポンジのように粗くなり骨折しやすくなる病気です。
  骨粗鬆症は女性に多く、男性の4〜5倍にも達します。

築20年以上の住宅に多いのが25〜30mm前後の段差です。
廊下から畳の部屋に入るときはもちろんのこと、
廊下からキッチンであっても、敷居の段差が存在することが多いはずです。

わずか25mmの段差といえば、ふつうの人であれば
無意識にまたいでいるぐらいの段差ですが、
歳を取ってくると徐々にひざが上がらなくなり、
ちょっとした段差でもつまずくことが増えていきます。

大きな段差のあるところでは誰でも気をつけますが、
無意識にまたいでいるぐらいの小さな段差の方がむしろ危険ということになります。

もしできるなら、廊下などの床高さを和室や敷居の高さまで上げることによって
家庭内のバリアフリー化をしていくといいと思います。

現状の床の上に、木製の下地材やフローリングをそのまま敷設することによって
かんたんに家庭内のバリアフリーができてしまいますので、
足腰がおぼつかないお年寄りと同居される場合は
ぜひとも取り入れてください。


3.長期の入院による痴呆

お年寄りの骨折ですから、
すぐに病院に入院することになりましたが、
やはり歳を取っているためになかなか骨が再生されません。
骨がくっつくまでに若い人の3倍以上はかかるそうです。

そして、3ヶ月以上という長期の入院生活のために
ついに痴呆の症状が現れてきました。

それまで一通りの家事を全てこなしてきた人が
いきなり歩くこともできず食事から排泄に至るまで
人の手を借りながらすることになれば、痴呆が進むのも仕方のないことでしょう。

なるべくなら入院せずにすむ方が痴呆を遅らせるという意味でも
有効な手段だとわかりました。


・・・ 祖母から学んだこと。(お年寄りと同居する方へ・・) その3 に続く。


★今日のテリー語録

「ケガもなく健康に過ごせるのが一番!」

お年寄りがいったん入院すると、どうしても長期になりがちです。
入院生活が長いと、どんなに元気に生活していた人であっても、
必ずと言ってもいいぐらい痴呆の傾向が出てきます。
また、家庭内での事故は、みなさんが考えている以上に多いので
少しでも楽に介護できるように、早い段階でバリアフリーにするのをオススメいたします。

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posted by テリー at 21:33| Comment(0) | TrackBack(0) | バリアフリー

2011年08月17日

祖母から学んだこと。(お年寄りと同居する方へ・・) その1


先週、私の祖母が亡くなりました。
(よろしければ、「追悼、おばあちゃんありがとう!!」 もご覧ください。)

葬儀なども無事終了し、今週に入って落ち着いてきたこともあって
祖母からいろいろなことを学んだことを思い出しました。

80歳になっても元気だった人が
● 加齢とともにどのように衰え、
● そして、どのようなリスクが存在するのか、
● また健康に歳をとるためのバリアフリーとは何か?
・・ということが長年の祖母の様子から少しずつわかってきたのです。

お年寄りと同居されている方や
将来的に同居や介護の予定がある方には参考になるかと思います。


1. 敷き布団よりもベッド。

私の祖母は明治生まれの昔人間で、
「そろそろベッドにした方が楽なんじゃない?」と聞いても
「いらん!!」と素っ気ない答えが返ってきましたし、
洋式トイレの改修工事を勧めても
「お金がもったいない!」
・・といった感じでした。(^_^;)

確かに80歳を超えてからも
自分の食事や、洗濯、掃除、庭の草むしりなども
日常的にこなすほど元気な人でした。

しかし、それほど元気な人であっても
加齢とともに徐々に足腰が弱っていくのは避けられません。

ある時、あれほど嫌がっていたベッドを
自分から欲しがるようになりました。

「頼むから、寝台(ベッド)を買ってくれ。
 起きるのがだんだんつらくなってきた。」

元気なお年寄りですと、
「やっぱり日本人は、畳の上に寝るに限る!」
という感じでベッドの生活を否定する傾向が強いのですが、
足腰が徐々に弱ってくると、敷き布団から起き上がるときが
本当につらくなるようです。

一方、ベッドなら、体をいきなり起こさなくても、
足をベッドの下に降ろすことで腕の力も使いながら
容易に起き上がることができます。

やはりお年寄りだからこそ、ベッドの生活にされた方がいいでしょう。


・・・ 祖母から学んだこと。(お年寄りと同居する方へ・・) その2 に続く。


★今日のテリー語録

「頑固な人には、少しずつ促してみましょう。」

いくらこちらの方がいいと思っても、押しつけるように話すと反発を食らうのがオチです。
「○○のおばあちゃんも『楽になった!!』って喜んでいたよ。」など、
少しずつ良いイメージを話していき、無理強いしないようにしてみてください。
ある日、ちょっとしたことで同意するかもしれませんよ。

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