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全くの偶然でしたが、先日、ある資料を目にする機会があり、
少なからずショックを受けてしまいました。
その資料とは、、、「住宅の断熱と健康について」
近畿大学理工学部建築学科の岩前篤教授が
何年もの調査を経て発表した調査結果です。
「温度と健康の因果関係」というグラフは、
1月から12月の月別にして、それぞれの月に亡くなった人の数を棒グラフにしたものです。
どの年であっても、暖かくなる初夏(6月)から初秋(9月)までに死亡する方の方が少なく、
冬の時期(12月から3月まで)の死亡率が高くなることを示しています。
つまり、気候(温度)が寒くなると、死亡率が上がることを意味しています。
住宅を断熱化した場合、住む人の健康にどのような変化があるかを調べた結果です。
この調査は、2002年から2008年までに、戸建住宅を取得した住まい手約2万人を対象に
インターネットで実施されたものです。
せき、のどの痛み、肌のかゆみ、目のかゆみ、手足の冷え、
気管支喘息、アトピー性皮膚炎、関節炎、アレルギー性鼻炎、
アレルギー性結膜炎、 肺炎、脳血管疾患、糖尿病、高血圧の15種類です。
これが住宅を高断熱化していくとどうなるかを示したのが、
「高断熱化の健康改善結果」というグラフです。
驚いたことに、どの症状も緩和されています。
特に転居後の住宅の断熱グレードが4→5になると、
明らかに症状が軽減されることが分かります。
この断熱グレードは、私たちが通常指針としている、
「省エネルギー対策等級」(以下、省エネ等級)とは直接的な関連性はありませんが、
概ね次のような断熱の仕様のようです。
断熱グレード3: アルミサッシ+シングルガラス ≒ 省エネ等級3
断熱グレード4: アルミサッシ+ペアガラス ≒ 省エネ等級4
断熱グレード5: 樹脂サッシ+ペアガラス ≒ 省エネ等級4+α
その当時の私は、新築住宅の断熱仕様について、先ほどのグラフでいう、
断熱グレード5程度をお客様に勧めていましたが、
お客様に断熱の重要性を伝えきれなかったり総予算の兼ね合いもあって、
時たま、断熱グレード4程度に落とすことも、正直ありました。
それでも、私の地元である石川県は省エネ区分でいうW地域、
つまり温暖な関東や関西地方と同じで東北地方などに比べればはるかに温暖なこともあり、
「今まで住んでいた環境に比べればはるかに断熱環境はよくなるのだから、これでもいいよね?」とい
岩前教授の調査結果を見ると、
断熱グレード3 → 断熱グレード4では
健康改善にはほとんど効果がないことが示されていたので
ショックを受けてしまいました。
やっぱり住まわれる人の健康のことを考えると
決して十分な断熱仕様とは言えなかったことになります。
幸いにして現在は、住宅エコポイントのおかげで
新築住宅なら省エネ対策等級4の家が50%以上に普及してきたので、
(「やっと50%か・・」という突っ込みは置いておきましょう。
やはり、携わる住宅会社さんにも依りますので・・。)
平成21年以降に新築された家なら、
ほぼ断熱グレード5程度になっていると言っていいかと思いますのでご安心ください。
さて、今から新築するのであれば、さらにもう一歩断熱を進めた方がいいかと思います。
平成21年に推奨されたトップランナー基準というのがあるんです。
最低限でもそのトップランナー基準で断熱化された家を建ててください。
みなさまの住環境が少しでもよくなるような提言をこれからもさせていただきますので、
よろしくお願いいたします。
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