近年、教育関係者や建築家の間では、
子供たちが通う教育施設はコンクリート造よりも
木造が望ましいと言われながらも、
実際には、住宅密集地では様々な制約がつきまとうため、
木造の教育施設は極めて希であるのが現状です。
そんなとき、金沢市内に築100年近い木造の幼稚園があると知人から聞いて、
興味が湧いた私はすぐに知人を通じて視察を申し出ました。
それが金沢市幸町にある川上幼稚園との出会いでした。
さて、最初に園内を案内していただいたのですが、
まず玄関で驚いたのが、子供たちの元気な声がとても良く響くことです!
声の響き方から園児は100名ぐらいいるのかと思っていたのですが、
その半数以下の46名と聞いてもっと驚きました。
私は中に入るのも忘れて、玄関に立ったまま
しばらく子供たちの歓声に聞き入っていました。
子供たちの歓声の響き方がとても柔らかくて、
心地のいいものだったことにあらためて感激したのです。
これは、明らかに木造建築の声の響き方です。
まるでコンサートホールのように柔らかい自然な響き方でした。
コンクリートの施設ではこんな響き方はしません。
コンクリート製の建物では、ある特定以上の周波数の音はカットされるため
人間の脳にも不快と感じる響き方をするそうです。
大人ですらそうなのですから、子供の情緒面に与える影響も決して小さくはないでしょう。
さて、視線を正面に据えると木製の階段が目に留まりました。
非常に存在感のある一枚物の木を使った階段は、もちろん100年前からのもの。
つまり明治時代からずっと、多くの園児たちを支え続けた階段なのです。
現代では木造住宅にすら使えないほどの貴重な階段が、
今も当たり前のように使われているのは、
先人たちが大切に手入れをしてくれたおかげです。
★今日のテリー語録
言葉だけを伝えても、見本となるべき親御さんが
“使い捨て”をしていれば、なかなか身につかないような気がします。
今日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。
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