2009年11月04日

通し柱は何本いるの?

 
     DSCF0837.JPG
 
時たま・・ですが、『 通し柱 』の本数を気にする方がいらっしゃいます。

『 通し柱 』(とおしはしら)とは、1階から2階までを通る1本の柱のことです。
通し柱の断面サイズは、普通の柱である管柱(くだはしら)と同じか、
もしくはワンサイズ大きい、4寸(12cm)角もしくは、4.5寸(13.5cm)角が
使われることが多いようですね。

通し柱には、必ず1階の梁(横架材:「胴差」(どうさし)とも呼びます。)が差し込まれます。
差し込まれるところには、欠きこみがされるので、その部分は断面欠損が生じて
強度としてはかえって弱くなってしまいます・・。

それを防ぐために、さらにいろいろと金物などで補強するのですが・・、
そもそも、通し柱のサイズがあまりに細いことが主原因なので、
正直言って、あまり根本的な解決にはなっていないような気がします。(^_^;)

仮に長方形の総二階の建物だった場合、
建物の隅(角)は4ヶ所あるので、隅柱を通し柱にした場合は、通し柱が4本ということになります。
仮に同じ建物で通し柱が8本だった場合は、隅以外に4ヶ所入っていることになりますね。

きれいに隅柱が通し柱だった場合は、2面の壁がぶつかることになるので、
直角2方向の胴差が差し込まれて(二方差し)、欠損する部分は最小限になりますが、
建物の隅以外の場所では、三方差しだったり、四方差しになることも出てきます。
特にこの四方差しになると、断面の半分以上が欠き取られるので本当に弱いです。(>_<)
  ※ 上の写真は、二方差しになります。

これが昔ながらの伝統工法であれば、
通し柱はだいたい7寸角(21cm角)か、8寸角(24cm角)ぐらいになると思います。
このぐらいあれば、幅が3.5寸(10.5cm)か、4寸(12cm)程度の胴差が差し込まれても
断面で残る部分が多いので全く問題はないのですが、
イマドキの細い柱を通し柱に使うと・・・、
地震の時のような大きな横揺れがあった場合、あっさりとポキンと折れてしまいます。 


わかりやすいように、私の大工時代の経験をお話しいたします。

私が大工修行をしていた頃ですから10年以上前の話です。
建て方当日、在来工法の組み方で行くと
通し柱をまず土台の上に立てていきます。
その家は、通し柱が8本ぐらいあったような記憶があります。

通し柱の寸法は、4寸角で四方差しでした。

クレーンでつり上げている最中に通し柱が大きくしなり・・・、
なんと通し柱自身の自重で折れてしまいました。

おそらく、、その場にいた大工さん全員が、あらためて通し柱の弱さを知ったことと思います。

通し柱不要論を唱えるのは、だいたいは現場をよく知っている大工さんでしょう。
手加工をしたり、その加工済の材料を運んでいれば、
通し柱の弱さを体感的に知る羽目になるからです。

いわゆる普通の在来工法で、普通の通し柱を入れるのなら、
総二階の建物であっても、4本以下に抑える方がかえって安心だと思います。
はっきりいって、通し柱がなくてもいいぐらいですから、
くれぐれも通し柱の数を無理に増やすようなことだけは止めてくださいね。


参考までに・・、

建築基準法の第43条の5に、通し柱の関する記述があります。
「 階数が2以上の建築物におけるすみ柱又はこれに準ずる柱は、通し柱としなければならない。」
  ただし、接合部を通し柱と同等以上の耐力を有するように補強した場合においては、
  この限りでない。 」

この条文の前半部分だけを読むと、通し柱がとても重要で、
本数が多いほど建物にとって、良いような気もしてきますが・・、
後半部分の「ただし〜・・・。」の部分は、
要するに、通し柱がなくてもいいと書いてあるんですね。(笑)


★今日のテリー語録

「時には、お客様の要望を聞いたために、建物を悪くすることもあるのです・・。」

いい加減な建築業者は、お施主様のご機嫌を取るためなら建物の強度を落としても、何とも思いません。
たとえお施主様の要望でも、それが建物にとってデメリットしかないなら、
ちゃんとお施主様への説明をしたうえで、適切な処置を施す業者さんを選んでくださいね〜♪

今日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。
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posted by テリー at 20:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 木造住宅の構造
この記事へのコメント
本当に、無責任な建築会社、リフォーム会社があるもので驚きます。最初は優しいのですが、意見をちょっと言った途端に「なんだコノヤロー、文句あんのか?」となるのです。その後は逆ギレから、手抜きをされたり散々なことになります。
ですので、意見を言っても逆ギレしない会社を選ぶことです。実績のある、長くやっているようなところがいいと思います。
Posted by n at 2014年05月16日 11:00
n様、おはようございます。

n様がおっしゃるとおり、「無責任な建築会社、リフォーム会社」は
それなりにいらっしゃるようですね。
その反面、同じ数だけすばらしい会社さんもありますから、
根気よく探していきたいものです。
実績のある、長くやっているようなところも
一つの目安になりますね。
貴重なコメントをいただきありがとうございました。
Posted by テリー at 2014年05月23日 06:22
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