・・・ 陰山先生に学ぶ、子育ての極意「笑顔」。その1 の続きです。
以下は、プライベートでは3人の子ども持つ陰山さんに、
「子育てにおいて一番大切なことは何なのか」を語ってもらった内容です。
ロンドン五輪のメダリストにインタビューをしたときにも、同じ発見がありました。
吉田沙保里さん、福原愛さんといった輝かしい成績を持つ選手たちのお母さんは、
どんな風に子どもと接してきただろうと思い、聞いてみたんです。
すると決まって「笑顔」という答えが返ってきた。
選手たちのお母さんは、成績に一喜一憂するのではなく、笑顔を絶やさないようにして、
「子どもの気持ちをいかに楽にするか」ということを心がけていたのです。
そして選手自身も、みなとても明るく、笑顔に屈託がない。
それで私は、「ああ、人間の集中力のもとは、幸福感や安心感なんです。
お母さん自身が笑顔で幸せそうにしていると、子どもは安心して、
落ち着いた精神状態で物事に取り組めます。
するとしっかりと集中して、力を発揮しやすくなるのです。
【伸びる子のお母さんは朗らかでおっとり】
これまで色々なお子さんを見てきましたが、
本当に伸びる子のお母さんって、ほがらかで、おっとりしていますね。
せかせかしていません。
逆に、必死になっているお母さんは、しかめっ面で、どうしてもイライラしてしまう。
例えば、朝4時に起きてすべての条件を整えて子どもと旦那を送り出して・・・と必死になっていると
「私がこれだけやっているのに、子どもはどうよ、旦那はどうよ、学校は・・・・・・」
という気持ちになって、家族や学校とのトラブルも起きやすくなります。
子どもの成長にとっては、単に親が一生懸命で、教育熱心であれば良い、
ということにはならないのです。
【親が意識すべきは、子どもに安心感を与えるということ】
子どもの成長モデルが変わってきたんですよね。
昔であれば、「巨人の星」の星飛雄馬のように、
「将来のために今は歯を食いしばって我慢する」という成長モデルがありました。
しかしそれは、戦後という時代性が作り出したヒーロー像、いわば虚像のようなもの。
戦後を乗り越えた現代においては、
「伸び伸びと、楽しんでいる状態のときこそ力を発揮する」
という新しい成長モデルが生まれました。
自分を犠牲にし、我慢して辛い思いをして頑張るというよりも、
まず子ども自身が、「面白い、楽しい」と感じていることが大事。
そうしたイメージで、子どもの成長や、能力の発揮ということが
捉えられるようになってきました。
「人間の力を発揮させる根源は笑顔なんだ」と確信しました。
・・・ 陰山先生に学ぶ、子育ての極意「笑顔」。その3 に続く。